キノの旅IV-the Beautiful World- 時雨沢恵一
キノの旅―The beautiful world (4) 作:時雨沢恵一 イラスト:黒星紅白(電撃文庫)
ISBN : 4-8402-1844-7 発行年月 : 2001.7
手段と目的
この場所を知らず 夢の地を目指し
夢の地に着いて この場所を知らず
-Wherever I go, there I am.-
第一話 「像のある国」 -Angel?-
全部読み終わってからもう一度口絵に戻ってくると……。
あらびっくり、よく見ればこの像、おなじみのあの人じゃない!
こういうエピソードのクロスの仕方が大好きだったりする。
第二話 「×××××」-Solo-
この「XXXXX」ちゃんについて、いろんな憶測が飛んでいますが。
私は優しい国で連れて行けなかったさくらであり、大人の国でいなくなったXXXXXちゃんであり、キノのトラウマであるのではないかと思っています。
現実に通り過ぎたものではなく。
そんな話もたまにはいいよね。
第三話 「二人の国」-Even Dog Doesn’t Eat-
夫婦喧嘩は犬も食いませんか。
ちょっとだけでもいいから他人を思いやる気持ちを思い出してほしいなぁ。
第四話 「伝統」-Tricksters-
猫耳つけるのがこの国の伝統。
そういえば歌舞伎だって元はといえばストリップだったわけですし(以下自主規制)
みんなだまされてやるのが優しいよね。いい国だ。
第五話 「仕事をしなくていい国」-Workable-
しなくていいんだけど、しなきゃいけない。
何にもしないで終わる一生、そんなのイヤだよね。
しかし、するのがストレス溜めるだけってのは……どうにかなんないかなぁ。
第六話 「分かれている国」-World Divided-
自分たちと同じとはさらさら考えていないようで。
だからねー、クジラも食料なわけよ。
なんでクジラだけダメなのよ。
かつてのアメリカ捕鯨船なんて油とるための原料調達だったくせにー。
第七話 「ぶどう」 -On duty-
英語の教材で出会った話、イソップ童話が元ネタ。
私もあの英語塾に通ってなかったらわかんなかったわけで……(笑)
負け惜しみ、言わないでおけるなら言いたくないね。
第八話 「認めている国」 -A vote-
おそろしー。
でも、事実公表したほうが仕事増えなくていいんじゃない? あ、そもそもの目的から考えればいいんだろうか。
第九話 「たかられた話」 -Bloodsuckers-
日本刀で、一人で「七人の侍」はムリなんだよ!
何でできてるんだ、シズの刀。実は木像よろしく棍棒だったら納得もいくんだけどさ。
第十話 「橋の国」 -their Line-
そんな細工してる余裕がよくあったな、と。
誰だ? 最後の一文書いたヤツ。
(無粋なツッコミでゴメンナサイ。m(__)m)
久川綾さんの朗読は柔らかくてとてもいい感じでした。
第十一話 「塔の国」 -Free Lance-
どうやって食料得てるんですかこの国。
というか崩れる時「西側は気をつけろー!」程度で済むんですか? 死人とか出ないのー?
(無粋なツッコミでごめんなさい。m(__)m)
でも、絵本口調はちょっと好き。
エピローグ 「紅い海の真ん中で」-Blooming Prearie-
個人的には里帰りかなぁと思っているのですが。
この後、気持ち的に自由の身になれたとかだったらいいなぁキノ。
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