七姫物語 高野和
七姫物語 作:高野和 イラスト:尾谷おさむ(電撃文庫)
ISBN : 4-8402-2265-7 発行年月 : 2003.2
第九回電撃小説大賞金賞受賞作。
ほんわか国盗り物語。いや本当だって。
ある大陸の片隅で、先王の隠し子と呼ばれる姫君をそれぞれの都市が掲げ、七つの宮が立った。最後の七宮、カセンで武人のテン・フオウとその軍師トエル・タウに擁立されたのは孤児の空澄。まだ城に入る前、お金もなかった頃に「三人で天下を取りに行こう」と語った思い出が空澄の大切な宝物。
しかし三年が経ったとき、隣の都市四宮琥珀姫を擁するツヅミがカセンに侵攻を始める。
全然殺伐としてないんです。さわやかな風が吹いてるんです。
空澄姫は弱々しいだけの姫ではなく、芯の強さを持ったお姫様です。優しさを人に与えてあげられる強さは持った人なのです。周りの者も素性は知れない嘘つきだけどホンネはわかりやすい。
ツッコミは、改行多っ! ほぼ全ての文で改行。見たことないレベルだ。そして文章が体言止め多用。なんだかブツ切れの感を否めません。カギカッコの前に句読点がないのも気になる。というか句点がない文もあった。校正しっかりしろよー! まぁそんなのは成田氏に比べればなんでもないし慣れでどうにかなります。でもカラスミの一人称であるためか、事実が先に述べられ説明が後回しになるのはわかりにくい。ような気がする。
まったり感の強さの分だけスリルはないけれど、そのぶん青空が綺麗なのです。後味のとてもよい物語。なんか安心できて好きです。
素では「ひちひめ」と読んでしまうので、市井のおっちゃんが「ひちひめ」と読んでくれたのがなんとなく嬉しかった。……「ななひめ」って読む?
メモ:月の名前
命月 雪終 息吹 櫻帰 緑渡 水面 空澄 高夏 早風 名無 雪祭 終月
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