Missing4 首くくりの物語・完結編 甲田学人
Missing〈4〉首くくりの物語・完結編 作:甲田学人 イラスト:翠川しん(電撃文庫)
ISBN : 4-8402-2061-1 発行年月 : 2002.3
悲しいねぇ。怖いねぇ。
稜子が追い詰められていく描写が鮮やか。
ドッキリした人も多いんじゃないだろうか。「優しい鏡」という比喩に。そして「純粋」という概念の否定に。
「私は必要じゃなかった」という告白に。
魔王と摩津方は対極にいるような気がするのですが。片や異界に執着を持つどこか世を捨てたような少年、片や20年越しの生者復活魔術を仕掛けた魔導師。
あやめというカード、チームプレイで勝利を得た魔王は、「望みをかなえてやる」という魔導師の誘いに「そんなに高次元の望みではない」と断りますが……その言葉のあらわすものはなんだろうね。
どっちかというと魔王に近い気持ちを持つことが多いので、そこまで生に固執する気持ちが全くわからないですよ。研究というパズルを前にしている人には時間が足りなくなるんでしょうか。
武巳は……かえってリアクションとりやすいと思うんだけど。押しの一手だ! (キャラクターが違います) それができないからお似合いだと思うんだけどね。
辛いのは亜紀だろうなぁ。頑張れ。
「民俗学に絡めたホラー」もさることながら、魔王や、神野と魔女の意味深な謎掛けめいたやり取りの言葉尻にも惹かれていることに気がついた。いやぁ面白いわコレ。
会誌はちゃんと出せるのかねぇ、文芸部。
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