さみしさの周波数 乙一

さみしさの周波数 作:乙一 イラスト:羽住都(角川スニーカー文庫)

さみしさの周波数 (角川スニーカー文庫)

表題作はなし。でもよくこの本を表せてるタイトルだ。透明感がすばらしい。
うん。さすがというかなんというか。短編にはキレがある。どの物語にも愛が溢れてる。
苦しんで書いたんだとしてもちゃんと切なさ出てるよ元祖小生。
いや、ちょっと嬉しかったんだ、小生キャラのあとがき。他のスニーカーもそうなのかな?
GOTHの巻末の予告……? 覚えてないな。なんかあったっけ?

未来予報
うん、古寺の予報の仕方に含みがあったんで予想ついちゃったけど、温かくていいなぁ。前向きな勇気を出せた主人公に拍手。

手を握る泥棒の話
「汗」は別に握ってないのでご注意をば。初映像化された物語。
思わず唸ってしまうようなアイディアは相変わらずで、ほっこりできるエンディング。
なぜこれが選ばれたのかはよくわかる気がしますよ。

フィルムの中の少女
来た来たホラーだー! と思ったらそうでもなく。
乙一が怪談に味付けするとこうなりました。映画研究会会員と作家のひとコマ。
一人称の「……」が少々うっとうしいですがやがてそれも吹っ飛ぶ吸引力。

失はれた物語
後発ハードカバーの表題作品。
そうきたか。指だけの存在が自殺を決意するまで。
やりきれないねぇ。これぞ乙一な一編。

余談
「乙一」=「GOTH」=「殺人事件」がようやく結びつき始めたらしい母が、「短編の名手・乙一の傑作集!」で結ばれる裏表紙の推薦文に戸惑っておられました。
うーんと、乙一には白乙一と黒乙一があってね……あー説明すんのめんどくさ。
にしてもあの説明文はネタバレしすぎだと思うよ。

Facebook にシェア
Pocket
[`friendfeed` not found]
[`evernote` not found]
LINEで送る

  1. コメントはありません。

  1. トラックバックはありません。

about

ライトノベルを中心に、ぐだぐだとバカなコメントを書きます。やってるときは燃え多め。

アーカイブ

profile

Go To Top

- Rental Orbit Space -