アクアリウムの夜 稻生平太郎

アクアリウムの夜 作:稻生平太郎 イラスト:緒方剛志(角川スニーカー文庫・ハードカバーもあります) 

アクアリウムの夜 (角川スニーカー文庫)

春の土曜日、ぼくはバンド仲間の高橋と「カメラ・オブスキュラ」という奇妙な見世物を見る。それはカメラの原理で外の景色を写すというものだったけど、その原理では映らないはずの水族館の入り口、そして観たこともない地下に通じる階段が見えた。

えーっと、これ「スニーカー・ミステリ倶楽部」に入れちゃダメなんじゃないか? ホラーです。理詰めの解決なんてありゃしないですよ。そういわれて読めばそれなりに楽しむのに、読み方を間違えた。うきゃー!
狂気に彩られた青春の不思議体験のひとコマ。高橋が入院したあたりでそれに気づければよかったんだけど。

90年の作品ということもあって、言葉づかいに古さが感じられる気が。
でもあれ、水族館という揺らめく空間に深まる謎、まではよかったのに。
水族館好きとしてはもうちょっと、どんな水族館だったのかも知りたかったところだ。

……内陸の小さな町に水族館がある、ということ自体がみすてりーなわけであって、その具体的な内容はいらないのか? ホラーの小道具か。でもなんだか納得いかない。最初のアナグラムだって入ってないのに死人出てるし、二度目の並び替えだってひとりじゃないじゃーん! (不条理小説に明確な答えを求めないように)
 
きょーび精神科に通ってるぐらいで疑われちゃたまったもんじゃないだろ! とか不満たまりまくり。白神教とかシャンバラとか本当に必要なのかねぇ……と、そのあたりを詳しく読みたかった人が言ってみる。謎解明してほしかったよ本当に。

そのうち再読してみよう。ネタは割れてるから楽しめるかどうかは微妙だが。
うん、でもたしかにラジオドラマにすると雰囲気はよさそう。結局聴いてないけど。

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ライトノベルを中心に、ぐだぐだとバカなコメントを書きます。やってるときは燃え多め。

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