エナメルを塗った魂の比重 鏡稜子ときせかえ密室 佐藤友哉
エナメルを塗った魂の比重―鏡稜子ときせかえ密室 作:佐藤友哉 イラスト:笹井一個 (講談社ノベルズ)
佐藤友哉は意地悪だ。
イジメだカニバだって読みにくいんじゃぁー! 特にカニバリズムのほうは解体から調理方法まで詳しく描写してくれなくていいよ……。本気で何回本置きそうになったことか。この感情をわかってほしくて思わずメールしちゃったっつーの。
視点もやたらあるし。
でも混同のしようがないくらいキャラが立ってることは認める。いじめられてる人、カニバな人(しかも食べた人の記憶を見ることができる)、前作にも出てきた預言者、コスプレな人、お嬢様。女子高生ばかりなのにこのバリエーションはどうなのか。
しかし最後まで仕組みの分からないドキドキ感はすげえな。
狂言回しさんが露骨に登場して物語修正したりして、一言でいえば「ろくでもない」なんだろうけど、まぁそこが面白い。何でもアリ。選ばれたものしか楽しめはしないだろうが。
しかしオタネタは濃すぎてエヴァとかウイングまでしかわかんないよう! ……エヴァに夏服以外の衣装なんて出てきたっけ? ブレザーなんか記憶にないんだけど。
外見を覆うものをエナメルとして、コスプレを通して説明しちゃうところはさすが。きせかえ密室とはよく言ったもんだ。
いやでもその結論はどうなのよ……それでいいのかい? いいんだろうな。
エナメルが重要。魂よりも。
鏡家サーガなのに稜子姉さんさっぱり脇役。いいのか?! いいんだろうな。うん。
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