三百年の謎匣 芦部拓

三百年の謎匣 作:芦部拓 (ハヤカワミステリーワールド)

三百年の謎匣 (ハヤカワ・ミステリワールド)

密室状態の袋小路で殺された富豪は、直前に遺言書を作成するために弁護士事務所を訪れていた。素人探偵兼弁護士の森江春策の元にそのときもたらされた手書きの書物に書かれていたのは東方奇譚・海賊モノ・フランス革命時の中華幻想・秘境探検・ウエスタン銃撃戦・飛行船での殺人事件、異なる時代の六編の物語がさまざまな言語で記されていた。この書物が解き明かされる時、全ての謎は明らかになる。

扉絵が藤田香さんということで、読んでみました。……こうして少しずつ読書の幅を広げていくのよ! カバー絵は西口司郎さん。ニ・三個はトリック分かったんだけどねぇ。所詮そのぐらいさー。一番ビックリしたのは最初の謎が解けた時。そんなに身近な話でしたか。そして某有名探偵が登場したとき。冒険家よりもそりゃねーだろ、と思った。

でも面白かったですよ。大航海時代からフランス革命に清王朝、ツェッペリンまで史実てんこ盛りで世界史好きにはたまらない一品。いやぁ、一つの話が終わるごとに一つずつ増えていく謎が明かされたときの爽快感とかよろしいですな。でもやっぱ長編というよりは短編連作形式といったほうがおさまりがいいような。一つ一つが違いすぎるし。とりわけ現代が浮いているような。
春策の話は大阪弁らしいのですが、なんか語尾だけ付け加えてあるように感じてしまう。芦部さん大阪生まれですし間違ってないと思うんですが、文章としてはアクセント表示がないので、語尾にたどりつくまでの言葉が関西弁で再生されないのは関西人の悲しさなんでしょうか。
それと、ヒンデンブルグ号以下水素飛行船はヘリウムのそれに比べてそんなに搭載重量は気にしないでもいけたんじゃなかったっけ……? グランドピアノが乗せてあったのはどの飛行船でしたか。テーブルとか軽量化してたのは本当なんだろうけど、どうなんだろう?

で、この題名の読み方は「なぞはこ」でいいんでしょうかね?

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ライトノベルを中心に、ぐだぐだとバカなコメントを書きます。やってるときは燃え多め。

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