少年計数機 池袋ウエストゲートパークII 石田衣良
少年計数機―池袋ウエストゲートパーク〈2〉 作:石田衣良(文藝春秋・文春文庫)
< ISBN : 4-16-319280-8 発行年月 : 2000.6
あいかわらずいろんな人出てきます。ネットののぞき部屋のNo.1、そのスカウトのオナベ、ヤクザの組長にコネのあるエロ老人二人組、暴走族上がりのアクセサリーデザイナー、身障娼婦、池袋のアンダーグラウンド丸ごと敵に回した前科者。あ、表題のモノを数え続けるLD児を忘れてた。誰もが現代的で、でも都会の中に当たり前にいて、そして異常な存在である人々。
一言でいってしまうと「強烈に個性が豊か」。でもそれらと日常生活の中で出会ったとき、マコトのように付き合える人はそうそういないんだろう。出会える確率も少ないから人生の肥やしにできる人はホンの一握り。だから人は小説を読みたくなる。自分はGボーイズの人手を借りることも刑事に資料もらうこともできないから。そのマコトは文章書くときや計画を練ってるときに自分にはない苦しみを感じているけど、十分に魅力のある生活。100キロ分のスイカを運ぶだけでできるならやってみたい。
体言止め多用で段落も多くてさらっとした文体のせいで軽い感じだけど、わりと人がよく死ぬんだよなぁこの小説。仕掛けもかなり大掛かりになってきた感があって、これ以上いくと大丈夫かなあと思うわけですよ。このシリーズは5+外伝まで出てるんですが。
で、読み終わったあと表紙に目をやると写真が鳩なわけですよ。うわああああー一気に背筋が冷える。生きものの命を一つ奪って器物損壊する人には出会いたくない。
クラシックは完全についていけなかった。付け焼き刃じゃムリか。
そしておバカなわたしはアキラの最後の言葉を「noridaieshiyagatte」と読んで「???」だった。台無しだよわたしのバカヤロウ。……でも「nori」を漢字で書いてもらったほうが読みやすくないですかね?
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