平井骸惚此中ニ有リ 其貳 田代裕彦

平井骸惚此中ニ有リ〈其2〉 作:田代裕彦 イラスト:睦月ムンク(富士見ミステリー文庫

平井骸惚此中ニ有リ〈其2〉 (富士見ミステリー文庫)

気を抜いていないつもりでも「暑い、暑い」と口をついて出てしまうのが帝都の夏でございます。担当編集者、緋音嬢から先日の件のお礼も兼ねて、避暑地に招かれ出向いた骸惚先生一家と河上くん。緋音嬢の昔馴染みである子爵家の別荘替わりのホテルにて、幕が開きますのは那須の旅の思い出か、はてまた連続殺人事件か。

なるほど、これがLOVE寄せ効果。山奥の避暑地にメイドと露天風呂ー! (入浴シーンはありません。というか嵐なので入れません) でも単語が出てきただけ、というか、雰囲気は前巻からの流れでちゃんと平井骸惚です。文章は体言止め多用の講壇調。涼嬢とのラブコメ度は飛躍的に上がってますよ。なんせ涼嬢は恋心に自覚したようですし、?子嬢は相変わらず「兄様」と慕ってますし、緋音嬢にもメイドの咲久子嬢にも妬きモチ焼きまくりで、あら、こう書いてみると河上くんハーレムの中心にいますか? 「少しでも縋り甲斐のある藁になるしかない」とか書かれてしまうけど、やっぱ癒し系なのでしょうね。
一番笑ったのは「死因は焼死。」早まるな涼嬢!

そして「大丈夫、すぐに小生が解決してみせるからね」とかいいつつさっぱり解決できない河上くんも、相変わらず切羽詰まらないと捜査に積極的でない骸骨先生も、このシリーズの味ですな。河上くんの帝大生分が追加される日はいつの日か。謎解き風味はそれなりに、其の壹よりは納得がいきましたよ。

にしても気になるのは一巻につき10ページも進まない現代時系列の語り部ですな。
一人称の人物は「あの人」の玄孫で確定ですが、「あの人」が骸惚先生か河上くんか。そしてちょっかいを出してくるのは誰なのか。いつになったらわかるのでしょう。いつまでたってもわからないかもなぁ。

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ライトノベルを中心に、ぐだぐだとバカなコメントを書きます。やってるときは燃え多め。

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