暗黒童話 乙一
暗黒童話 作:乙一(集英社文庫・新書もあります)
菜深は片目の眼球を失ってから記憶をなくした。周りが求めているのは優等生だったらしい以前の菜深で、今の菜深には居場所がない。祖父のはからいで眼球移植を受けてから、左目に見知らぬ場面が映るようになった。かつて左目の持ち主だった和弥の記憶、それを得てから気持ちが落ち着くようになった。しかし和弥の死因がただの交通事故ではないと知ったとき、菜深は仇をとる決心をする。
Let’s黒乙一! 図書館で借りたら空きページに帯貼り付けてありました。こんなの初めて。そんなに岩井志麻子のお言葉は重要なのかー。
グロめのホラー+ミステリーです。映像化は頼むからやめてください、ぐらいの勢いです。地下室の方々を目撃しちゃった日にはきっとトラウマです。童話なのは作中作品で、冒頭と中ほどで語られます。やっぱりグロめです。暗黒だし。
なんか超能力っぽい力も出てきます。その前に眼球移植だしなー。そこらへんのリアリティは求めないで下さい。
いやでもホラーの中にもせつなさはちゃんと入っていて、さすが乙一。周りに受け入れられない自分なんかの描写は痛いね。それが最後の意志に繋がってるから安心できる。弱かった自分の気持ちを知った菜深は以前より優しい女性になったんだろうね。
記憶喪失にならなくても過去の自分は基本的に他人だよなー。「あーなんであの時あんなことしたんだろ、あの子に謝りたいな」と思うことは誰だってあるんじゃ。私だってココの過去ログ読んで「なるほどー!」と膝をつくこともあります。(それは忘れ過ぎ)
それにしても一番笑ったのは折り返しの言葉。そりゃねぇよ親戚の方々。
乙一がフリーアルバイターだったら誰が小説家なんだよー!
乙一インタビュー
http://www.shueisha.co.jp/ankoku/detail/index.html”>http://www.shueisha.co.jp/ankoku/detail/index.html
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