池袋ウエストゲートパーク 石田衣良

池袋ウエストゲートパーク 作:石田衣良(文藝春秋・文春文庫)

池袋ウエストゲートパーク (文春文庫) ISBN : 4-16-317990-9 発行年月 : 1998.9

言わずと知れたドラマ原作。中編連作で、4つの物語が収録されています。
98年当時読んでりゃ同世代くらいだったんだけどね……。PHSとかエアジョーダンとかglobeとか、ちょっと古臭くなってるねというのは仕方ないことですなぁ。アムロってカタカナで書かれるとレイさんを連想してしまいます。若いっていいなぁ。

で、イメージと全然違ったのさ。
なんかドラマの予告かなんかで、取調室にいる長瀬智也が
「どこにいたんだ」
「ウエストゲートパーク」
「西口公園といわんかー! カッコつけやがって」(殴られる)
みたいな映像を見た覚えがあるのに、マコトは刑事と顔見知りだしさ、マコトの立ち位置も探偵というよりは世話役で、やりたいことをやってるんだよね。「見ていられない」とか「居心地のいい池袋を取り戻すため」という言い訳の元に、それなりに苦しみもがきながら。

にしてもだ。弦楽セレナーデってワルツだったんだ。(「オー人事オー人事」の曲)着メロで確かめてしまった。とても踊っている人は想像できなかったな。あのCMが強烈すぎるのかもしれないけど。あとのクラシックはよくわかんなかったやー私も逃げ道程度にしかクラシック聴かないからなぁ。

作者がワイドショーのコメンテーターとかでよくブラウン管に出てくるようになったんで、オカンも興味を示したらしく貸してみたら、10分ぐらいで戻ってきた。たぶん「若者」な雰囲気が合わなかったんだろう。
「大人」から見たらここに出てくる登場人物たちは「不良」で片付けられてしまうんでしょうが、奴らはバカじゃない。チーマーや風俗嬢や、引きこもりや電波オタクでも、街の平和を願ってる。
私も最初は「若いっていいなぁ」と一つ引いたところから読んでいたんだけど、いつの間にか普段の読書と変わらない視点で引き込まれていたんですよ。これはわりと広い視野がいいのかなぁ。街にはいろんな人がいて、犯罪を見過ごす話もあれば警察にしょっ引く話もあって、妊娠ネタと一緒に不妊治療の苦しさが描かれる。これらがでてくるまで読んでくれたら中年にも共感してもらえる率が上がるんじゃないだろうか。

そりゃあ、各チームリーダーからやくざから、池袋署長にまで顔が利いて頭の切れる元ヤンの果物屋なんてファンタジーなのかもしれないけど、あったらいいなぁと思える。最後の誘いに乗って池袋に行ってみたい。

むー、ちょっとドラマを見たくなったぞ。(遅すぎる)
さーて、少年計数機も借りてくるかー。

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ライトノベルを中心に、ぐだぐだとバカなコメントを書きます。やってるときは燃え多め。

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