禁涙境事件 some tragedies of no-tear land 上遠野浩平
禁涙境事件 some tragedies of no-tear land 作:上遠野浩平 イラスト:金子一馬(講談社ノベルス)
魔法が無効化される非武装地帯、禁涙境。受胎も行われない死の街は、享楽と可能性に溢れていたはずだった。戦場近くのこの街で頻発する陰惨な事件、そして迎えた破局に、仮面の戦地調停士はどんな真実を見つけるのか。
オムニバス風に4つの昔話が語られるので、いつもにもまして時系列がややこしい。最後には一つの物語にまとめられるのだけれども。そこが快感。
さらにはEDが刺青を彫った場所でもあり、その様子も語られます。
涙を禁じられたという設定がいいね。生かされてるとは思わないが。
残虐号はなんつーか、すごすぎ。何で生きてるの?
町の人、それは恨みどころが違うだろと。むしろその人は助けてくれてますよ?
犯人さん拍子抜け。
EDはすごいけど、いつのもことか。いやそれにしてもどうかと思う。
とグチはいろいろあれど、パワーで押しきられた感じ。まぁこれでももいいか?
しかし、紫骸城で初登場早々いきなりご臨終なされたニーガスアンガー師が海賊島でも禁涙境でもこんなに活躍してるとは。あの時はなんか悪そうに見えたけど、いい人だな。彼も含めて禁涙境に生きる人々は一生懸命でさわやかだ。活き活きしてて実に良い。魔力の消えたそこでも、ささやかに力強く生きてくれるに違いない。
たぶん禁涙境はブギーシリーズより好き。それが多数派だとは思わないけど。
で、次回作は残虐号事件。いつにもましてハチャメチャだと思われる。
ヒースが王になるのはいつの日か。
他刊の感想
殺竜事件 紫骸城事件 海賊島事件
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