お楽しみはこれからだ! Jazzy Murder

お楽しみはこれからだ!―Jazzy Murder 作:真瀬もと (ハヤカワミステリーワールド)

お楽しみはこれからだ! ISBN : 4-15-208746-3 発行年月 : 2006.7

時は1927年。ハリウッド女優メグ・ライリーに請われイギリスの犬舎からイングリッシュ・コッカー・スパニエルを引き渡しに来たメイドのケイト。彼女の叔父の元警部、写真家のエドワード・シドニーがアメリカに渡り写真家として成功していたのだ。しかし、「ジャズ・シンガー」ワールドプレミアの夜にニューヨークの彼の部屋で女優ミランダ・デフォーが謎の死を遂げた。事故として処理されたが、ハリウッドに移動したケイトが今度はメグ・ライリーの死に立ち会ってしまう。彼女たちは殺されたのか? 事故なのか? 推理に消極的な元警部も協力してくれる中、彼女は謎を探り始めた。

禁酒法! ニューヨーク! ハリウッド!
えと、裏のあらすじでメインとされている第二の殺人が起こるまでが長かった……実際半分以上してからじゃないと起こらないし。
なんかな、Jazzyな雰囲気は感じなかった。垢抜けてないというか。件の紹介文のシメは「犬とメイドの本格推理!」となってますが犬はイタズラ好きの子犬だし、メイドは海外にお使いに出てきているためにご主人様がいない状態。それってメイド萌えの観点からは期待できないでしょう。
とりあえずキメ台詞は何度も使うなといいたい。何回言ったのよこのタイトルを。特に一番最初にケイトが引用したときには思わず「そりゃないよ」とツッコミました。

でもでも、ハリウッドや当時の映画界の雰囲気を味わうにはいいですね。どこまでが実在の人物でどこまでが創作された人物なのかわからない程度の知識しかありませんが。俳優の名前はやたら出てきたので知ってる名前もありましたよ。
それと映画界のに潜む狂気とか。「ジャズ・エイジ」よりも「アスピリン・エイジ」に重きを置きたかったのかな。
もう一つ、ケイトにはエドをイギリスに連れ戻して彼の娘と一緒に暮らせるよう説得する目的もあったりするのですが、けっこうあっさりとエドにばれてしまい、ありゃりゃと思うものの最後にはいいところに落ち着いて、この人間模様にさみしいけれど安心しました。悲しいエピソードだよ、娘を手放してしまうほどに。

いやしかし、この本で一番驚いたのはこの作者が、モリアーティー教授が探偵役の小説でウィングス大賞をとっていた、という事実でしょうか。そんなんあったんや。

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ライトノベルを中心に、ぐだぐだとバカなコメントを書きます。やってるときは燃え多め。

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