ブルースカイ 桜庭一樹
ブルースカイ 作:桜庭一樹 (ハヤカワ文庫)
ISBN : 4-15-030820-9
発行年月 : 2005.10
桜庭作品で一番衝撃を受けたかもしれない。いや、砂糖菓子もすごかったんだけどさ。『魔女狩りと、未来のヴァーチャルリアリティと、火山灰の降る島。3つの箱庭と3つの青空、そして少女についての物語』。
桜庭一樹の話をしていて、「あの人はなんか少女に恨みでもあるのかと思うくらい過酷な運命を背負わせるよね」みたいな流れになったのですが(その人ちゃんと読んだのは「ブルースカイ」だけみたい)それは彼女が少女だったからかな。それがリアリティだと感じるのは、普遍的なものなんだろうか。やっぱ黒桜庭は破壊力が違います。
一部は中世世界がピンとこなくて、第二部が一番面白かった。中世に少女はいないこと、薄っぺらい自分たちはロリータコンプレックスの次にできた文化的クリーチャーだという説。リアリティを感じるんですよこんな設定のほうが。(SF読みになったほうがいいんじゃない?)第三部はね、もうモードが悲しみにスイッチしてるから涙ちょちょ切れですよ。
生きるためにもがくソラが、せつなくて。システムは青い空と繋がっている。すべては青い空と繋がっている。
個性なんて普遍的なものだと嘆いているソラの後継者たるディッキーが個性を商売にしているところも興味深い。
Gothicに触れているところも興味深いところですが。
それで、Sweet Blue Ageには歌詞引用の表記がついてたけど、これはいいのか? あゆとサンボマスターですね。NARUTOですね。(やっぱそっちか)
サンボマスター大好きな桜庭さんがこの歌詞を「わけがわからない」といわせてしまうあたり、作家さんってすごい生き物だと思う。演技だと台本でインプットするけど、作家さんはプロットでインプットするのかな。
コメントはありません。