ボトルネック 米澤穂信
ボトルネック 作:米澤穂信 (新潮社)
ISBN : 4-10-301471-7 発行年月 : 2006.08
ISBN:978-4101287812 発行年月 : 2009.09
ギターとは何の関係もありません。恥ずかしながら、経済用語を存じ上げませんでしたのでそっちかと。
重い、重いよ穂信。過去最大級に重いよ。最初の展開から最後の一行まで真っ黒。落ち込んでる人が読んだらトドメを刺しかねない。いやマジで。
よく見たら帯にも不穏な言葉が並んでいるわけですが。いやー、今まで後味悪いのも多かったけど一応全読みしてる作家だし、と思っていたのが甘かったのか。ココまで痛いか。よくやった、と祝福するべきなんだろう。途中でやめて仏僧になろうかと思った ttp://www.yomiuri.co.jp/book/news/20060515bk07.htm ぐらいなのだから。
「兄の後追いなんて真っ平だ」という思いがどう変化していくか。主人公のキャラクターは、省エネがつきつまってしまっている感じ。しかし生まれなかったはずの姉は活躍しすぎだ。姉の推理も光る。で、スクーターはベスパ? いろんな深読みができそうですがする気力もないです。(褒め言葉)
グロテスクなまでの青春。その点において傑作であるのだろう。呪いか。自分が実行できたはずの理想を見せ付けられるなんて。それほどの情熱が、なんでもない人にあったというのか。それとも想像力の賜物なのか。
それでも、彼は失望を選んではいないと思う。メールを見て笑ったのだから。
私にとってもサキはまぶしすぎる。そこが一番ファンタジーじゃないのかな。そういうことにしないと落ち着いていられない。
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