ルナティック・ムーン 藤原祐
ルナティック・ムーン 作:藤原祐 イラスト:椋本夏夜 (電撃文庫)
ISBN : 4-8402-2458-7 発行年月 : 2003.9
世界が荒廃しててー、失われた超技術は細々と使われていて、変異種と呼ばれる身体に他の生物の特徴をもっている人は差別され隔離されて、変異種の親から生まれたのに変異が表に現れていない人は街のみんなから白い目で見られて、「ケモノ」と呼ばれる外敵に脅かされている。そしてそれを狩っている組織がある。主人公は力に目覚め悩み傷ついて、その中でボーイ・ミーツ・ガールする物語。
こう、「鬱」という噂は漏れ聞いていたので覚悟決めて読んだらショックを受けることもなく楽しめました。設定とかありがちかもしれないですが私が好きだからいいのです。でも絶対映像化しちゃいけない! 戦闘部分は詳細でグロイし気持ち悪いだろうなぁ。心理描写も綿密で後悔とか身に迫ってきます。みなさんが容赦なく亡くなっていきます。ヒロインたる「灰被り魔女」ことシオンが女の子だったのもビックリしましたよ。(ぼく地球読者) 表紙はシオン変異バージョン。見たことあるはずだったのに左手が変異していることに全然気付かなかった。
「月」が上手く使われると思います。スラムでは決して見つけられなかったものをどこで見ることができたのかははっきりしてないのが残念ですが。バベルの屋上とかですかね。
あと気になるのはシオンの戦う理由のきっかけ、とかルナ母の死に様とか。後者は知ってる人生き残ってるんでしょうか。
鬱ストーリーではあるけど、主人公は何を失くしても最終的には答えを見つけるから安心して読める気がします。たとえ某どうぶつの森の村の住人の語尾が「しにたい」である作家さんでもその点はプロです。さて、二巻読んでこよう。
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