氷菓 You can’t escape 米澤穂信

氷菓 作:米澤穂信 イラスト:上杉久代 (角川スニーカー文庫・角川文庫)

氷菓

古典部シリーズ第一弾。OBの姉の指令により、存続のため古典部に入部した折木奉太郎。しかし古典部には先客がいた。千反田えるは30年前に在籍した叔父と交わした会話を思い出すために、古典部の過去を探ろうとしている。最後に明らかになる真実とは。

ベナレスってバラナシだったのかー! (そこからかよ)一度でいいからガンガーに浸かってみたい。その前に伝染病にかかりそうな気がするけど。
それとか「曼荼羅絨毯」とかおもしろかった。絨毯って縫うものだったんだ……! どんだけレベル高い手芸部なんだよ。
んで、文章書くのが苦手な人が文集作る部活に入っちゃいけないよー福部。

テーマが「さよなら妖精」と同じだなぁ、と思っていたら、元々「さよなら妖精」がこの古典部シリーズで出る予定だったと聞いてひどく納得。そりゃ一緒だわな。
高校の雰囲気が出身校に似ていて懐かしかった。表向き「文武両道」を謳っているもののあだ名は「牧場」だの「温泉」だので、「進学率抜かれたらしいよー」「あー、やっぱり? あははー」なんて会話がなされる学校。文化祭もカンヤ祭ほどにではないにせよ盛んでしたよ。体育祭入れて5日だったかな? ああ、戻らない若い日々。少なくとも私は「後悔しない」なんて言い切れるものでなかったのは確かだったりします。なかなかできないな、そんな生活。

そして、そんな日常の描写もいいのだけれど、最後に明かされるタイトルの由来が。やっぱりガツンときて。優しい英雄の悲しいわけ。しばらく「氷菓」を食べる時に感慨深い気持ちになりそう。……青春っていいなぁ。この時期にネットにふれてしまうかもしれない今の高校生は、万能感って持てるのかな。化け物がいるからねぇ、ネットの世界。一時期呆然としたもんなぁ、自分の無能さに。それを米澤さんまでもが感じたものだったなんて、正直驚いたけど。

そんなこんなで、さくっと読める残された文書謎解き。おもしろかった。

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ライトノベルを中心に、ぐだぐだとバカなコメントを書きます。やってるときは燃え多め。

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