石ノ目 乙一
石ノ目 作:乙一 (集英社)
文庫「平面いぬ。」と内容が同じかどうかは天帝妖狐の例もあるので自信はないけど、とりあえず収録されている短編の題名は同じ。
「石ノ目」
ちょっとだけ、あざといと感じてしまった。「その方法無理がないか?」と思ってしまったからだろう。そう行動するしかなかった気持ちを考えるとつらいのだけれどもね。
「はじめ」
So-farに通じるような気がする幻想の物語。悪役から親友、英雄になっていくはじめがすがすがしい。結末は最後に書かれている通りにしかならないのだけど、かけがえのない幻想はいつまでも残るのだろう。
「BLUE」
余り布で作られたブサイクな人形BLUE。仲間の王子様やお姫様や騎士や白馬と同様動けるのだけど、「返品」されないために動けないふりをする。愛されようと努力するけどいつもからぶり、でもあるきっかけから暴れん坊のテッドからさびだらけのバッジをもらう。
思わずあらすじ書いちゃった。好きだ。カーロス家の3人が忘れ去ろうとも、私はBLUEを忘れない。
「平面いぬ。」
それを手がかりに探してたのにその手がかりについて説教垂れてくれるなんか上等じゃねえか社長さんよ。しかしこのまま増え続けたらどうするんだよ。やっぱり寿命とかあるんだろうか。
いぬに教えられた家族の気持ち。つらいのはみな同じ。コレを知るきっかけと一人になるきっかけを与えてくれたポッキーを、ユウが大切にしないわけがない。
最後の手紙が反則だ。やっぱ乙一は泣かせる。
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