砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A lollypop or a bullet 桜庭一樹

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 作:桜庭一樹 イラスト:むー (富士見ミステリー文庫

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫) ISBN : 4-8291-6276-7 発行年月 : 2004.11

あーあ、撃ちぬかれちゃった。黒桜庭ここにあり。覚悟して読んだけど鬱だった。そうきたか。悲しい、というか気分が重い。ネットに感想上げるのがうっとうしく感じるくらい。すごいじゃん、桜庭一樹。文体とかはまんまのライトノベルなんだろうけど、「このミス」にランクインしたのも納得しちゃうくらい。(このラノもラ板大賞も3位だよ) 「少女には向かない職業」が面白かった人にはおすすめなんじゃないでしょうか。普段ライトノベルよまない人でも。反対に同じレーベルだけど「GOSICK」はあまり推せない……デフォルメされるものが違うから。白桜庭だし。

不幸のものさしはいくつもあって、中世基準で余裕があっても幸せとは限らない。ここは現代の日本だから。砂糖菓子の弾丸では生き抜けなかった少女の物語。
不思議ちゃんが不思議ちゃんにならざるを得なくなった事情が明かされるにつれ、引き込まれる。見せてくるのではなく、見えてくる過程が痛々しいんだ。なぎさとの共通点がわかってから手を取り合って現実に立ち向かおうとして粉砕される、もう涙ちょちょ切れですよ。
だけど、湿っぽくないんだよな。まさに砂糖菓子でコーティングされているから。ふわふわしてるから。手法的に「現実」ではないのでしょうか。そこもよいところ。

一番納得いかないのは藻屑がなぜ嵐の日を予言できたのかわかんないとこ。うさぎとかも気になるけど。それと、ちゃんと発見するまでに大騒ぎしといたのにその新聞記事はないだろう、とか。

しかし、この表紙は誤解を受けそうだなぁ。みなさんにお薦めし難い要因がこんなところにも。

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ライトノベルを中心に、ぐだぐだとバカなコメントを書きます。やってるときは燃え多め。

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