銃とチョコレート 乙一

銃とチョコレート 作:乙一 イラスト:平田修一 (講談社ミステリーランド)

銃とチョコレート ISBN:4-06-270580-X 発行年月 : 2006.5

乙一の児童書。といってもミステリーランドですが。
まぁ一応児童書の皮を被っているとはいえ一筋縄であるわけがなかろうて。正義とか、ヒーローとか、いるけどいなくている。乙一の本領発揮といったところでしょうか。表紙の白目の猫怖い。でも箱とセットだとなんとなくかわいい雰囲気なんだよねー。中身のイラストはフォローのしようがないぐらい怖い。ビターでおいしいチョコレート。決して「チョコレートと銃」ではないところがミソですね。
気になるのはカギかっこの最後に句読点の丸が含まれることでしょうか。今までなかったよね?

怪盗はゴディバ、名探偵はロイズ。主人公の少年はリンツ。
戦争の終わった町で、移民の子供として暮らすリンツ。父は亡くなり、母は工場とレストランで働き、自分もパン屋の配達をしている。ある日父の形見の聖書から、地図らしきものを見つけた。ゴディバの残すカードには風車小屋の絵が書かれているという情報を新聞記者見習いのマルコリーニから聞いたリンツは、この地図がゴディバが宝を隠した場所のものだと確信し、ロイズに手紙を出す。

冒険始めるまでにひどい目にあうのは児童書的セオリーなんでしょうか。(ブレイブストーリーと二つで判断しないように)いじめっ子のドゥバイヨルが貴族の血筋で美形で頭の切れる曲者で、乱暴者にしておくのが本当にもったいない人物ですねっ。
お母様もおじいさんもいいキャラしてます。リンツに特に特徴がないのは仕方がないことかと。一筋の勇気と、ひとはらの優しさと、好奇心。これをもってると少年主人公としては及第点ですね。
味付けは人種と信仰と。
きっと、銃で得たお金よりチョコレートで得たお金のほうがあたたかいんだ。リンツはそっちを選ぶんだろうね。

あとがきは、いつもの調子で。「くつしたをかくせ!」よりは子どもに見せやすいね! 「おもしろい!」といってくれるかどうかは別として。1ページにこんなに怨念のようなものを含ませられるとはね。謝辞もちゃんとついてるのに。ま、それでこそ乙一、と。

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ライトノベルを中心に、ぐだぐだとバカなコメントを書きます。やってるときは燃え多め。

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