悪魔のミカタ12 It/ストラグル うえお久光
悪魔のミカタ <12>It ストラグル 作:うえお久光 イラスト:藤田香(電撃文庫)
ISBN : 4-8402-2602-4 発行年月 : 2004.2
堂島コウは登場しないけど、堂島コウの物語第二弾。前巻にまして全然出てこないなぁ。(絶賛キャンプ中だと思われます)というか、6・7よりよっぽど番外なのではないかと思うのですが。struggleの名が示す通り、葛藤の中巻。みんなの切羽詰まった心理描写には絶望するでもないのに希望も信じがたい、切ない心をじんわりと共有できたような。理屈と感情、対比がうまくだされてましたよ。しかし盛り上がりに欠けるのは否めないか。
頑張りとしては水彩の戦いも、昇の演説も、チャーハンも、眠り姫も、勇気をくれるものだった。吸血鬼側に身を置きながら協力してくれる新堂とか。吸血鬼になることで幸せになれると信じきって義父を殺そうとする子どもの話とか、吸血鬼に盲信しているはずなのに吸血鬼に疎まれている信者の話とか。一千万年と二千年、敵と味方ではない人間と吸血鬼の関係とか。小ネタもたくさん挟まれて。
ダムピールの件は遼子だと思っているけど、ワンが素晴らしいものだといいながらノードを全開させているワケではなかったりといろいろ気になる点もありますしね。どう転がすんだろう。意外なところから名前が出た安県とか。帰ってくんのかなー、ランドール。(あとがきからしてもそれはどうだろう)
それとサクラの引きがなんとも言えず。雨は間に合うのか?
そう、謎といえばやっぱり海藤のオッサンが最高に謎だ。いきなりなんでみんなに希望を与えるきっかけになって帰ってきたんだ。彼の出番は今回も短く。
全ては次巻、一学期が終了するそのときに答えが出ているだろう。
最厚のIt編プロローグ、早いとこ読んでしまおう。
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