海の底 有川浩

海の底 作:有川浩 (メディアワークス)

海の底 (角川文庫)

横須賀沿岸を襲った巨大人食いザリガニ「レガリス」。桜祭に集まった人々の中で13人の子供たちはレガリスが群がる停泊中の潜水艦「きりしお」の中に逃げ込んだ。陸の上では機動隊が奔走、対して米軍も怪しい動きをみせる。

はいはいー、有川ハードカバー第二弾は相も変わらず怪物と戦う大人たちとLOVEです。大人たちは機動隊とか警察と、海上自衛隊と、横須賀で起きたこともあって米軍と、しがらみがたくさんあって燃えた。そしてもう一つの視点、子ども達の心情描写に泣いた。青春なんですよー。ヒューマンドラマなんですよ。空の中よりもわかりやすいぶん映画にしやすいと思う……そのフィールドに立つと個性が霞むかもしれないが。パニックモノに詳しくないのでよくわからないけどなんとなく。
紹介文の「死んでこい」はちょっと肩透かしな気がしました。だってインパクトがありすぎるのよ、そこだけを切り取ると。紛れもなく熱い男のドラマなんだけどね。

しかし、最初の犠牲者出るのが早いよ! ちょっとテンション上げ切れなかったよ! 涙出る暇もなかった。というかなぜ隊員が二人しかいないのかすら理解できてなかった。(それは置いていかれすぎ) そしてネットの中の軍事マニア、役に立ったのか立たないのか微妙だよ……! ぜひ大活躍してほしったのに。実況ってやっぱり心がはやるわ。マスコミネタには心が晴れたような。圭介も(最終的には)、望もよくやった。望の直面した危機なんてのはやはり、女性の筆者ならではなんだろうか。

十五少年漂流記にしては問題児幹部候補生が二人ついてるわけですが、これがいい味出してるのよね。まっすぐな夏木と当たりは柔らかなのに毒を吐く冬原。きっとこいつらも入れて15人の子供たちなんでしょうが。対する大人、警察の現場指揮官明石とかキャリアの警視正烏丸も破天荒なキャラクターで頼りになりますし。

事件の幕引きはあっけなかったけど、そりゃそうだなとは思うし、そのあとの後日譚に暗い気持ちが晴れたので、よかったことにする。あー、面白かった!

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ライトノベルを中心に、ぐだぐだとバカなコメントを書きます。やってるときは燃え多め。

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