終末のフール 伊坂幸太郎

終末のフール 作:伊坂幸太郎 (集英社)

終末のフール ISBN : 4-08-774803-0 発行年月 : 2006.3

本屋大賞は4位でしたね。
「終末のフール」「太陽のシール」「篭城のビール」「冬眠のガール」「鋼鉄のウール」「天体のヨール」「演劇のオール」「深海のポール」の八本です。五年前、八年後に小惑星が衝突して地球が滅びると宣告され、混乱を乗り越えて小康状態を保っている仙台。あと三年という期限もって生きているマンションの住人一人一人が、物語を持っている。

パニック状態じゃなく、そこから抜け出した日常ってのがすごいリアル。情報を知らない人は陥らない状態。そんな存在がいることが「演劇のオール」で描かれる。ちなみにこの一編はそれまで登場した人物たちが一堂に集まり醍醐味が味わえる一品でもある。「演劇」を続けることを選択した女性のお話。

「終末」は家族の確執にどうカタをつけるかという話。「太陽」は不妊だった夫婦に今になって子どもができて、優柔不断のダンナが決断する話。「篭城」は復讐話。「鋼鉄」はキックボクシングを続ける話。「天体」はそれでも星を見続ける話。「深海」はその瞬間を見守ろうとする話。

どう考えても自分だったら生き残れていないと思う状況。でもこの本が好きだ。だからかもしれない。流され続ける自分に喝。

「今日という日は残された日々の最初の一日」って何だったっけ、チャールズ・ディードリッヒって人は知らないしーと考え込んでしまったけどTHE BOOMの「極東サンバ」の中の一曲「It’s Glorious」だ。
『今日の日は残された時間の最初の一日』
12年前から知ってるフレーズをこんなに説明されないと実感できない私はやっぱ頭の回転がよくない。まあこっちには対として『今日の日は心を償える最後の一日』ってフレーズも入ってます。ちなみに命が生まれたシチュエーションらしいですよ。

えっ、じゃ千葉はどうなんの? と思うので本当に滅びてしまうのかどうかは微妙な気がする。天体のヨールでさんざん否定的意見が聞けるしね。どれでも正解。

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ライトノベルを中心に、ぐだぐだとバカなコメントを書きます。やってるときは燃え多め。

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