再読:海の底

海の底

ネット上でこの小説の話題が出てるのを見て再読したらやっぱり燃え上がったでござる。
後日潭の「クジラの彼」まで読んでもうなんだか幸せな気分になるなる。

今の時期なら季節もぴったり! 4月7日から13日の出来事を綴った物語である。(2004年だけど)
怪獣パニックモノで恋愛モノでオススメ。
「災害出動」なんかもタイムリーな単語ではあるかな。

手元にあるのは単行本なので、文庫版と相違あればご容赦願いたい。

一つ、作者は軍オタである。
一つ、作者は執筆前にチャット仲間で実際に自衛隊チーム、警察チーム、米軍チームなど役割を演じてもらって事件を再現し、時系列の骨組みを作ったらしい。
一つ、いろんな方面のオタが活躍する。
一つ、小説の中でもBBSのログという形でパニックが広がっていく様子などが描写されている。
一つ、その後を書いた短編が収められている本は、完全に恋愛小説本である。(みんな自衛隊関係だけどね)

事件の始まりは、巨大な『人喰い』ザリガニの群れが横須賀桜祭りの会場を襲ったこと。
子供たちを避難させた海上自衛隊所属の潜水艦「きりしお」は、米軍横須賀基地の中で孤立することになる。

軍備などの描写は男性も感心するものだが、心理描写や子供に対する言動やとある事柄については女性にしか描けないえぐさがあるように思う。
「俺たち自衛官だからね、民間人の意思は尊重するよ」
この一文がどれだけ残酷であることか。
家の事情なんかは「フリーター、家を買う。」なんかに通ずるものがある。
そりゃあ海上保安庁巡視船はろくな武器持ってねえよ、攻撃されるのが仕事だもん

終盤は盛り上がりに欠ける気がするけど、そこでもうひとつ苦難が降りかかってきても嫌なのでこれでいい。

にしても夏木と堂上(図書館戦争)入れ替えてもわっかんねえな、と思った自分は多分何か間違ってる。夏木のほうが直情的ででっかくて不器用なのか。まあ、堂上が尻の下に敷かれるイメージはないかなあ。別冊が手元にないからあれだけれどもあああ。冬原と小牧の違いはわかるんだけど……。

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ライトノベルを中心に、ぐだぐだとバカなコメントを書きます。やってるときは燃え多め。

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