カテゴリー ‘ その他(軽)小説

灰色のピーターパン 池袋ウエストゲートパークVI 石田衣良

灰色のピーターパン―池袋ウエストゲートパーク〈6〉 作:石田衣良 (文藝春秋)

灰色のピーターパン ISBN : 4-16-325030-1 発行年月 : 2006.6

池袋のトラブルシューターのお話、第6弾。

いやー、よもやマコトの口から「ライトノベルがおもしろい」なんてセリフを聞くことになろうとは思ってませんでしたよ。その中にデュラも入ってる? (笑) こっちはしっかり朝基まさしさんのマコトのビジュアルイメージだったのにさー。ドラマ見たことないし有藤せなさんの読んだことないし。クニミツの政もサイコメトラーも読んだことないけどな!

で、今回は盗撮ビジネスをやってる小学生と、兄思いの妹と、元Gボーイズキングの真夜中のビジネスと、姉思いの妹の四本です。サブタイトルになっている小学生の話はあっけない感じもしたけど、この軽さが味だよねー。
やー、始まったときは確実に年上だったマコトがもう完全に年下に感じる。どうしよう。
兄思いの妹の話も、テーマは深いんだがあっさりしすぎているような。割り切り早くない? いい話だとは思うんですけど。夢が入りすぎてないかな、って。
いままではもっと使うコネにもバリエーションがあって、のたうちまわって事件を解決してたような印象があるんですよね。ひねりもあまりなかった気が。

今回のテーマは『灰色』ですな。マコト語でちょうどいい? 世の中のものってわりとなんでも灰色なんだと思いますが。
しかし一番の山場「池袋フェニックス計画」では国家権力的に回してますよ。微妙に違うか。うん、それなりに読み応えはありました。

しっかし、なんでIWGPまでLOVEなんだ。みんなで私をへこましたいのか。(本を選んで読んでるのは自分です) まぁ、しあわせになってくれ。

他刊の感想
1 2 3 外伝 4 5

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チルドレン 伊坂幸太郎

チルドレン 作:伊坂幸太郎 (講談社)

チルドレン ISBN : 4-06-212442-4 発行年月 : 2004.5

二度目の直木賞候補。131回ですね。ノミネート一覧を見てるとああ、そんな時期なんだなぁと思えますねー2004年が。(どんだけ記憶がないんですか)本屋大賞は5位。

破天荒な陣内という人物を中心に、迷惑と思いながらも友情を育む鴨居、盲目の長瀬、職場の後輩武藤たちが織りなす5つの奇跡の物語。短編集なのでしょっぱなの「バンク」から全然子供たちは関係ありません。二話目が家庭裁判所の調査官のお話。しかし、陣内含めてチルドレンなんでしょうな、この本の名前がそうだってことは。時系列や複線が錯綜してるのはいつも通りですよ。謎がアクセントになって読みやすくなってるんじゃないでしょうか。(こういうのもミステリ?)

「バンク」が一番気に入った。変だもん。関東を荒らしてる4人組に心当たりもあるし。重力ピエロを彷彿とさせるような章割りに章タイトル。(そこだけね) なるほどー、と膝を打ちたくなる真相。
陣内が光ってるのは「イン」でしょうか。それでふっきれんだな。吹っ切られた方は訳がわからないけれど。
長瀬はふつうですごいと思う。「普通」って同じだからできることだと思うんですよ。違うのにその状態でいられるのは、どこかが普通でないんだろうか。素敵。

陣内と友達になったらとてつもなく迷惑だろうけど、出会った人たちはそれ以上のモノをもらってるんじゃないだろうか。と思うこの頃。普通じゃ奇跡は起こせないんだろうと思うのは負け惜しみのようでくやしいけど。

陣内、なんでバンドでコピーばっかやってんだよ! 個性的な人物なんだからオリジナルしようよ。(描写のしようがないじゃないですか)

WOWWOWでやったらしいドラマは、紹介見てるぶんには全く別モンにしか見えませんが…… 映像化なんて割り切らなきゃやってられないし。東京では映画館でも上映されるようで。いいなぁ。

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ボトルネック 米澤穂信

ボトルネック 作:米澤穂信 (新潮社)

ボトルネック ISBN : 4-10-301471-7 発行年月 : 2006.08
ボトルネック (新潮文庫) ISBN:978-4101287812 発行年月 : 2009.09

ギターとは何の関係もありません。恥ずかしながら、経済用語を存じ上げませんでしたのでそっちかと。
重い、重いよ穂信。過去最大級に重いよ。最初の展開から最後の一行まで真っ黒。落ち込んでる人が読んだらトドメを刺しかねない。いやマジで。
よく見たら帯にも不穏な言葉が並んでいるわけですが。いやー、今まで後味悪いのも多かったけど一応全読みしてる作家だし、と思っていたのが甘かったのか。ココまで痛いか。よくやった、と祝福するべきなんだろう。途中でやめて仏僧になろうかと思った ttp://www.yomiuri.co.jp/book/news/20060515bk07.htm ぐらいなのだから。

「兄の後追いなんて真っ平だ」という思いがどう変化していくか。主人公のキャラクターは、省エネがつきつまってしまっている感じ。しかし生まれなかったはずの姉は活躍しすぎだ。姉の推理も光る。で、スクーターはベスパ? いろんな深読みができそうですがする気力もないです。(褒め言葉)

グロテスクなまでの青春。その点において傑作であるのだろう。呪いか。自分が実行できたはずの理想を見せ付けられるなんて。それほどの情熱が、なんでもない人にあったというのか。それとも想像力の賜物なのか。
それでも、彼は失望を選んではいないと思う。メールを見て笑ったのだから。

私にとってもサキはまぶしすぎる。そこが一番ファンタジーじゃないのかな。そういうことにしないと落ち着いていられない。

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ブルースカイ 桜庭一樹

ブルースカイ 作:桜庭一樹 (ハヤカワ文庫)

ブルースカイ (ハヤカワ文庫 JA) ISBN : 4-15-030820-9
発行年月 : 2005.10

桜庭作品で一番衝撃を受けたかもしれない。いや、砂糖菓子もすごかったんだけどさ。『魔女狩りと、未来のヴァーチャルリアリティと、火山灰の降る島。3つの箱庭と3つの青空、そして少女についての物語』。
桜庭一樹の話をしていて、「あの人はなんか少女に恨みでもあるのかと思うくらい過酷な運命を背負わせるよね」みたいな流れになったのですが(その人ちゃんと読んだのは「ブルースカイ」だけみたい)それは彼女が少女だったからかな。それがリアリティだと感じるのは、普遍的なものなんだろうか。やっぱ黒桜庭は破壊力が違います。

一部は中世世界がピンとこなくて、第二部が一番面白かった。中世に少女はいないこと、薄っぺらい自分たちはロリータコンプレックスの次にできた文化的クリーチャーだという説。リアリティを感じるんですよこんな設定のほうが。(SF読みになったほうがいいんじゃない?)第三部はね、もうモードが悲しみにスイッチしてるから涙ちょちょ切れですよ。

生きるためにもがくソラが、せつなくて。システムは青い空と繋がっている。すべては青い空と繋がっている。
個性なんて普遍的なものだと嘆いているソラの後継者たるディッキーが個性を商売にしているところも興味深い。
Gothicに触れているところも興味深いところですが。

それで、Sweet Blue Ageには歌詞引用の表記がついてたけど、これはいいのか? あゆとサンボマスターですね。NARUTOですね。(やっぱそっちか)
サンボマスター大好きな桜庭さんがこの歌詞を「わけがわからない」といわせてしまうあたり、作家さんってすごい生き物だと思う。演技だと台本でインプットするけど、作家さんはプロットでインプットするのかな。

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となり町戦争 三崎亜記

となり町戦争 作:三崎亜記 (集英社)

となり町戦争 (集英社文庫) ISBN : 4-08-774740-9 発行年月 : 2005.1

めっちゃ変。(ほめ言葉) 
戦争は舞坂町にとって公共事業で、隣町と共同で進めるモノ。実感は全くないが広報には戦死者の人数がカウントされ、小学校では子どもたちが銃剣を持って訓練しており、自分は偵察員として辞令を受けとなり町の隣町までの通勤中の様子を報告する。殺人事件も起こる、普通の町。行政と戦争、こんな組み合わせを成り立たせてるのがすごい。それでわけのわからない、現代的「リアリティのない戦争」が浮き彫りになるのがすごい。

そして恋愛モノだったりする。町役場の「となり町戦争係」香西さんという女性が出てくる。のちに偵察のため結婚してとなり町で共同生活を送ることになるのだが、この女性がまた事務的なのである。公務員なのである。そんな彼女と休日の化粧をしてニットカーディガンな彼女がギャップなのである。そりゃ男も堕ちるわ。(え)
もうひとり、外国で戦争という現実を生き抜いた上司の主任がまたメルヘンな存在だ。どうみても気のいいおっさん、伝説だけが一人歩きしている。特徴的な話し方をする。

結局戦争はリアルを持たないまま終わる。一度きりの傷を伴って。舞阪の戦死者数はこの物語の中には記載されていない。となり町の正式名称すらわからない。(正式名称がこれなのか?) まるでテレビの中の戦争と同じで、とてもリアル。まちがいなく戦争の物語なんだよなぁ。そして喪失の物語。答えなんかはないけど。
主人公が語った、「家ができたらそこに自然に人が生まれてくると思っていた」という話が興味深いですね。そのリアリティのなさが、説得力を持ってしまう話。
自分を逃がすために一人の犠牲まで出したのに、そのあとその部屋で平然と生活できるのもけっこうすごいメルヘンだと思うのだが。
あと、闘争心育成樹が押収されたのには何の意味があったのでしょうか。舞坂町ととなり町の関係を表すため? そういうことじゃなくてとなり町側の必要性とかが聞きたいんだが……まあいいか。

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アヒルと鴨のコインロッカー 伊坂幸太郎

アヒルと鴨のコインロッカー 作:伊坂幸太郎 (東京創元社ミステリフロンティア)

アヒルと鴨のコインロッカー (ミステリ・フロンティア) ISBN : 4-488-01700-2 発行年月 : 2003.11

第二五回吉川英治文学新人賞受賞作。本屋大賞三位。

二年って長いな。人は充分変貌を完遂できる。
本来、わたしはこういうストーリーの流れてきな仕掛けというか手法は嫌いなはずなんだ。反則技だと思う。でもうならざるをえない。結構呆然としている。最後の最後に明かされた題名の意味とか。「オーデュボン」のニュアンスに近いんだな。読み終わったときは穏やかな心境になったけど、その前はどんでん返しの、さらにどんでん返しを期待してしまった。河崎も、ドルジも琴美も麗子さんも椎名もみんな笑っていて欲しかった。またもや読後感は灰色といった感じ。
しかし、いつも通りの伏線の張り方・回収の仕方でパズルはとても楽しかったよ。

大学生活はこんなのではなかったけど。同じ学問を志す人(要するに趣味が同じ人)に囲まれて楽しくてしかたがなかった。履修制限ギリギリまで授業を受けた。それでも取りたいのに取れない授業がいっぱいあった。ずっと学校にいた。過去の一時期に戻れるなら、確実にあそこを希望すると思う。わたしは。

祥子が話に出てきたり、蕎麦屋ってアレか? とかラクガキ現場? と思ったぐらいでそんなに繋がってはなかったな。

たぶんチベット仏教あたりでは自殺は転生できなかった気が……。あああ。
ブータンって結構最近まで鎖国していたはずという真偽が定かでない知識があるのですが、調べてみたら英語が第一公用語みたいなことが書いてあった……。そりゃ国際社会にめっちゃなじんでるように見えるのは日本人だからか。
行ってみたいよブータン。レッサーパンダに会いたい。インドも行ってみたいけど。

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犬はどこだ THE CASE-BOOK OF “KOYA SEARCH & RESCUE”1 米澤穂信

犬はどこだ 作:米澤穂信 (東京創元社ミステリフロンティア)

犬はどこだ (ミステリ・フロンティア) ISBN : 4-488-01718-5 発行年月 : 2005.7

びっくりした。後半がこれぞ小説な話運び! 超スッキリ! まぁ確かにできすぎというか、ある程度の予測はついてしまいそうなところだけど私の意識からは遙か遠くをいかれた感じ。レポートでくっつけられるとは思わなかったけど。
ネットとか駆使してあって、ダメっぽいけど実はやる後輩兼押しかけ部下ことハンペーは人類最強と同じバイク(ドゥカティ)に乗ってて(そこかよ)、主人公は基本やる気がないというかペット探し専門が希望の、でも作者にペット探しなんぞさせてもらえないだろうことが明白な、サラリーマンを続けられなくなった紺屋。事務所開業とともに2つ事件が舞い込んだサーチアンドレスキュー社を舞台にちょっとハードボイルド目なストーリーが展開されます。味付けは民俗学。
ちょっと探され人に似た境遇にある人を知っていて、途中で「この小説めっちゃあなたっぽいよ!」と宣伝しそうになったけど、読み終わった後に「ごめん、全然違った」と心の中でつぶやいておいた。

淡々とした描写の中で淡々と突っ込む紺屋の語り口が素敵。
走り屋妹やアドバイスをするチャット仲間もいい味出してるの。
「流されないで(仮)」という続編も決まったようでとても楽しみですわ! 永遠に(メイン)犬探しはできないだろう紺屋に乾杯。今回の一見みごとな事件解決が評判呼んじゃったりしたらさらにせつないね……。次の事件がまた新たな心配事の種なんかになったら、満身創痍ですね、紺屋。がんばれ。

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DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件 西尾維新

DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件 作:西尾維新 原作:大場つぐみ・小畑健

DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件 ISBN : 4-08-780439-9 発行年月 : 2006.8

メロの語るLと南空ナオミが力を合わせた2002年の夏に起こった殺人事件。(いやほとんどナオミ視点ですが)
豪華布装丁しおりヒモはロゴ入りリボン、イラストはカラー一枚に各章扉。
そして維新氏お得意のヘンな名前の登場人物。おまけにワイミーズハウスのこともちょっとわかってしまうお得な仕様。

まさかとは思ったけど人物表に犯人が書いてある倒叙形式。ちゃんとミステリですよ。「ノベライズ」であることを最大限に生かしているでしょう。

普通に維新だ。大丈夫か。いや、維新好きとしては何の問題もないわけですけど、デスノファンの人には大丈夫なのですか。だって彩花みんとか京極夏彦とかツンデレとかいう単語が出てきてこう、オタク慣れしてない人には違和感あるんじゃありません? それに「キラ」って単語が何度も出てきて少々ウザイぞ! (ほんとに本編読んでから読んでよかった) せっかくLAなのになんて日本ネタが多いんだよ! (日本人だからじゃない?) 一番の疑問は「寿命の計算方法って教えられなくてもわかるもんなん?」なんですがね。

とか文句ばっかり並べてるようですが非常に満足です。Lのイメージも壊れることなく、カポエラなどネタがちりばめられていて思わずニヤリとしてしまいます。ナオミの突っ込みはちょいといーちゃんを思い出すけど好きだから問題ない。いいキャラですよ彼女。まさかFBI休職中のドジっ娘だったとはね。
予告バリにLがエラルド・コイルとドヌーヴのコードネームを得た「欧州バイオテロ事件」と第三次世界大戦をすんでのところで食い止めた「ウィンチェスター爆弾魔事件」が言及されてるので、続編もアリってことでしょう。うわ、また乗せられそう。いやでも幸せだからいい。

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逃亡くそたわけ 絲山秋子

逃亡くそたわけ 作:絲山秋子 (中央公論新社)

逃亡くそたわけ ISBN : 4-12-003614-6 発行年月 : 2005.2

芥川賞のときにくずかごのうわずみさん http://yokattanetaka.jugem.jp/?eid=197 (でいいですか?)でちょいと触れられてたときから気になっていたんですよ。この作品自体は第133回直木賞候補作なんだそうで。なんていったってこのタイトルがインパクト充分。由来が分かった今でもバカバカしい(?)。日本全国に何個○○富士があると思ってんだよォなごやん! 中学の理科やり直してこい!

精神病者の話なのに明るいロードノベル。鬱と躁の男女二人組のオンボロ乗用車による逃亡劇。前向きなんだか後ろ向きなんだか、軽犯罪を繰り返しながらの九州縦断。病持ちで苦しみも書かれているのに、おなか抱えて笑える小説。でも一番笑ったのが「いきなり団子」だったわたしはアニメのケロロが好きです。あはははは。

原因と結果がどうであれ、逃亡を図れるのはアクティブなんだなぁと思って。そっか、「自殺」っつーのも一種の逃亡だしなぁ。入院中の鬱患者がそれに付き合えるのもパワフルだなあと思ったらやっぱりそうだった。でもこの読後感がなぁ。なごやんも花ちゃんもこのあとどうなっちゃうんだろ。
でもこの二人はええコンビやと思うなぁ。
花ちゃんの方言全開に対してなごやんは標準語なんだけど、不思議と冷たい感じがしない。実は名古屋を愛してるから? (東京の人が冷たいっていいたいのではなく表面上はそうなっちゃう人が多いよねって話)
わたしはどうせ言語に規定されるなら、東京弁に規定されるのなんてまっぴらごめんな関西人ですが。

そして、「芥川賞作家の本借りてきたよー」と自慢しておいたら母が先に読み、「イメージが山ちゃんとしずちゃんに固定してしまって南海キャンディーズの道中としか思えない」とか言ってましたが、気のせいです。妙な先入観つけんなー! 山ちゃんが茶髪の名古屋出身東京かぶれ会社員でたまるかー!(笑)

つことでなごやん買ってきてみました。
おいしかったです。

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くつしたをかくせ! Hide the Socks! 乙一

くつしたをかくせ! 作:乙一 イラスト:羽住都 訳:Aliy Lickfold (光文社)

くつしたをかくせ! ISBN : 4-334-92414-X 発行年月 : 2003.11

乙一の絵本! クリスマス! バイリンガル仕様。英語の勉強にもなる? 今回も羽住さんのイラストが冴えてます! 色遣いが素敵。扉はサーフボードに乗ったサンタさん、裏表紙なんてらくだに乗ったサンタさん。かわいすぎるぅ! 手元に置いておきたい!

内容といえば、ちょっと変だけどたわいもない幸せなお話。謎は謎のままってとこがほんのりホラー仕立て。
後書き読んでみると、小生物語を絵本にしたい、っていう発想らしいので、なるほどと。しかしほんとに子ども向けじゃない後書きだなぁ……糊付け推奨って。ガチャピンとムックは実在してるよ!

サンタが恐れられているというのなら、聖ニコラウスは靴下に何をしたんだろう。いたずら? 表紙にいる天使も恐れられている存在なのか? と、どうでもいい妄想がふくらみます。子どもに見せたらどんなリアクションがくるのかな。
しかし、ブルーカンガルーにもいらだちを覚えたわたしが、この本は許容できるっつーのはやはり乙一と羽住都は偉大だ、ということだろうか。

おかんが「南の島には靴下なんてないだろう」と突っ込んでました。いいじゃん! それじゃ世界中に贈り物が届かないじゃん! 差別ー! (なんでやねん)

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ライトノベルを中心に、ぐだぐだとバカなコメントを書きます。やってるときは燃え多め。

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