ブギーポップ・アンバランス ホーリィ&ゴースト 上遠野浩平
ホーリィ&ゴースト―ブギーポップ・アンバランス 作:上遠野浩平 イラスト:緒方剛志 (電撃文庫)
ISBN : 4-8402-1896-X 発行年月 : 2001.9
とあるところで出会った二人がちょいと犯罪を犯した拍子に大きな事件に遭遇し、カーナビやその他の画面で指示をくれるアニメイタチと共に数々の犯罪とねずみ小僧をやったのち、一つの世界の危機を解決してしまうお話。癒しベクトルはどこへやら。うーん、ホーリィのわかりやすい性格はある意味癒し系?
スッキリしてて好きです。厭世観や虚無感なんかは顔を出しつつも文面は明るく、パンドラと違って読後感もさわやかな青春小説。私はブギーポップシリーズにブギーとしての面白さなんて求めてないのかもなぁ。
イタチも語呂がよくて好きですし。アイキャッチのブギーコスのイタチイラストもステキだ。かわいい。
なにより全国指名手配されてもヘでもないホーゴーがステキ。
「今」をどうにかしようとする原動力が彼らの底力か。出合ったときに「恋人」とか「友達」などのカタチができてしまっていたらこんな力は出ていないだろう。何にも規定されない力がすごい。まったくもって「ロック・ボトム」なんて脇役の脇役。一応最終兵器なのになぁ。
凪はどうしても必要なのかなぁ。便利屋代わりにされているような気がして、出てきた途端なんだかなぁな気分になってしまった。事後処理任せるには必要だけどもそこをなんとか! リセットも必要かなぁ。能力名とかどうでもいいよ派。あ、だからこの話が好きなのかも。主人公が一般人だから。ビートにつながりを持たせてあるのがさすがというか、リセットってそのためだけに登場したの? みたいな。
そして「たまんねー熱さだわ」という言葉づかいには、女として断固抗議します。そんな言葉づかいのオナゴはいねぇわよ上遠野さん。
他刊の感想
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