バッカーノ! 1932 Drug&The Dominos 成田良悟
バッカーノ!1932―Drug & The Dominos 作:成田良悟 イラスト:エナミカツミ(電撃文庫)
ISBN : 4-8402-2494-3 発行年月 : 2003.10
きっかけはあるヤク中の突発的な行動。盗まれたヤクをめぐって、兄の行方を捜すお嬢様やその召使い、情報屋のいたずら、マンハッタンのシマを争うマフィアの抗争も錯綜していつもどおりの大騒ぎ。今までの登場人物もところどころに登場して、さぁ、ドミノ倒しで遊びましょう。
あかん、ろくな紹介文にならんかった(汗)
このシリーズにしては地味な気もしましたが、作者の脳内テーマが「ほのぼの」だったらしいのでそこらへんから醸し出されるものなんでしょうな
ぁ。まぁ、万人が納得できるような「ほのぼの」であるはずもなく。(笑)
「ドミノ倒し」という構成はかなり上手くいってると思うですよ。みんなの思惑がすべて意図とは違う方向に働いていって……っていうのは無印バッカーノの酒の行方にも似たドキドキ感が。最後にはパズルがピッタリとハマって、ハッピーエンド。さすがです。
しかし、イヴが命懸けてるお兄ちゃんがダラスかと思うとねぇ……(笑) 自業自得だけど、イヴの思いがダラスに向いてるってだけであいつも幸せもんなんだろうなぁ、と思って。やっぱりみんな幸せな小説だよね、バッカーノって。
ラックの見せ場なんかはこれぞピカレスク! って感じで。イヴの処分の場面などは、裏でこそこそやってる三人を想像するとほほえましくて。某最強さんも今回ばっかりは……(笑)でも、映画「ジャズシンガー」のあのセリフ放ったときは最高にかっこよかったよー!!
ヨウンとファンはもっとジェノアード家で活躍するのかと思ってたら全然違うところで頑張ってましたな。バカップルったら、また地味に「目標」にされてるし。なんてやつらじゃー。ドミノ並べてるクッション的場面にもなんやらほのぼのです。(←騙されてきてる?!)
一作目のテーマは螺旋、二・三作目は並列する二つの線路、四作目はドミノ倒し。これからの構成はどうなるんでしょうか?
他刊の感想
無印 1931鈍行編 1931特急編 1932 2001 1933<上> 1933<下> 1934獄中編 1934娑婆編 1934完結編