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図書館戦争 有川浩

図書館戦争 作:有川浩 イラスト:徒花スクモ (メディアワークス)

図書館戦争 ISBN : 4-8402-3361-6 発行年月 : 2006.2
図書館戦争  図書館戦争シリーズ(1) (角川文庫)

有川さんのハードカバー第三弾もやっぱりLOVE! 怪獣は出てこないけど軍隊でラブ! コメディーっぽいけど。そして王道だけど。ざっと読み始めた時点で王子の正体はバレバレですがな。ボケつっこみのバランスがよい。
そして熱いな。主に女性主人公が。天然ボケとはこういう人のことを言うのだ。小牧は冬原とかぶってる気がしないわけじゃないが上戸なのでいい。しかしこの「あこがれの人を追っかけて」ってシチュ、有川作品で見たような気がするんだが……3作品しかないのに思い出せない。いや、海の底のラストじゃないんだ。あーもー気持ち悪い!

メディア検閲に対抗する、という関係でいろんなメディアで紹介されてた記憶があり、また本の雑誌の上半期エンターテイメント第一位を獲得したため今うちの本屋でも平積みになってたり(これを機会に電撃文庫の新刊も入れましょうよ。もしくは夜魔とかシフトIIとか)、メディアワークスのハードカバー戦略も外れてはいないな、と思った次第。図書館戦争おもしろいと思った人、既刊読んでも損はしないと思います! 
図書隊と良化部隊の戦闘シーンは迫力満点ですし、もう一つのクライマックスでも図書隊と警察の軋轢とか、やっぱこの人の作品は実写映像化に向いてると思う。

大ボケ山猿笠原が図書館の内勤で四苦八苦するところなんかは耳が痛いです。半年たつけど未だにベストセラーしか見つけられませんごめんなさい店長

そして「日野の悪夢」の生き残り、稲嶺の信念に惚れた。義足にギミック仕込むなんてどこのアニメですか。

『荒野のカナ』はなんとなく、キノとキーリをかけて二で割ったようなイメージ? (そのままじゃん)
表紙も読み終わってからじっくり眺めてニヤニヤしましょう。ザウエルとか。(そこかよ)

続編「図書館内乱」では家族にばれたり王子様の正体がばれたりするんですね? 「正義の味方じゃない」図書隊がみられるのですね。期待してます。

Yahoo!ブックスインタビュー 有川浩 http://books.yahoo.co.jp/interview/detail/31662609/01.html

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海の底 有川浩

海の底 作:有川浩 (メディアワークス)

海の底 (角川文庫)

横須賀沿岸を襲った巨大人食いザリガニ「レガリス」。桜祭に集まった人々の中で13人の子供たちはレガリスが群がる停泊中の潜水艦「きりしお」の中に逃げ込んだ。陸の上では機動隊が奔走、対して米軍も怪しい動きをみせる。

はいはいー、有川ハードカバー第二弾は相も変わらず怪物と戦う大人たちとLOVEです。大人たちは機動隊とか警察と、海上自衛隊と、横須賀で起きたこともあって米軍と、しがらみがたくさんあって燃えた。そしてもう一つの視点、子ども達の心情描写に泣いた。青春なんですよー。ヒューマンドラマなんですよ。空の中よりもわかりやすいぶん映画にしやすいと思う……そのフィールドに立つと個性が霞むかもしれないが。パニックモノに詳しくないのでよくわからないけどなんとなく。
紹介文の「死んでこい」はちょっと肩透かしな気がしました。だってインパクトがありすぎるのよ、そこだけを切り取ると。紛れもなく熱い男のドラマなんだけどね。

しかし、最初の犠牲者出るのが早いよ! ちょっとテンション上げ切れなかったよ! 涙出る暇もなかった。というかなぜ隊員が二人しかいないのかすら理解できてなかった。(それは置いていかれすぎ) そしてネットの中の軍事マニア、役に立ったのか立たないのか微妙だよ……! ぜひ大活躍してほしったのに。実況ってやっぱり心がはやるわ。マスコミネタには心が晴れたような。圭介も(最終的には)、望もよくやった。望の直面した危機なんてのはやはり、女性の筆者ならではなんだろうか。

十五少年漂流記にしては問題児幹部候補生が二人ついてるわけですが、これがいい味出してるのよね。まっすぐな夏木と当たりは柔らかなのに毒を吐く冬原。きっとこいつらも入れて15人の子供たちなんでしょうが。対する大人、警察の現場指揮官明石とかキャリアの警視正烏丸も破天荒なキャラクターで頼りになりますし。

事件の幕引きはあっけなかったけど、そりゃそうだなとは思うし、そのあとの後日譚に暗い気持ちが晴れたので、よかったことにする。あー、面白かった!

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空の中 有川浩

空の中 作:有川浩 (メディアワークス・角川文庫)

空の中 (角川文庫)

長いけど、引き込まれてしばらくエセ高知弁が口をついて出そうになるほど面白かった。ハードカバーに擬態したって、たとえ帯のお言葉が高知県知事でも、中身はまんまライトノベルじゃねぇか! ってぷちにキレてみるのもいいけれど、ここはいっそ「ハリウッド映画好きにはいいかもしれない大人向け」と言い換えてもいいような気がする。画面の派手さはないけど人間ドラマがいいね。1600円の価値、十分ありますこよこれ。文庫落ちしてくれればありがたいのには変わりがないが。

未知の生物が出てきて生活が壊されそうになったりあっちこっちでLOVEったりと基本は「塩の街」に似てるっちゃあ似てるんですが、いろんな人の視点がある今作、心理描写も構成も腕挙げたなあと思うんですよ。まったり度は上がってますね。緊迫感は下がってますが。飛行機や自衛隊への愛がにじみ出てるのもほほえましい。
高校生視点と大人組対策本部視点があって、両者が対立する構図になったときにはもしや破滅エンドか? と思ったりもしたけれど、「海の底」って同じ世界じゃなかったっけ大丈夫だよとかいろいろ考えました。

そして女性自衛官でパイロットな光稀のラブコメぶりに顔がにやける。そして春名の交渉が鮮やかなところはあんたセールスマンにでもなったほうが儲かるんじゃない? と思わなくもないが、それじゃあんまりですかね。研究者には見えなかったんだよ。
あと健気な女子高校生には同情したくない。
宮じいに孫がいるのが意外だった。
フェイクやディックの純粋さに癒された。
ああ、海の底も読みたい。

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塩の街 wish on my precious 有川浩

塩の街―wish on my precious 作:有川浩 イラスト:昭次 (電撃文庫)

塩の街―wish on my precious (電撃文庫)

街が「塩」に埋め尽くされていく『塩害』が激しくなってから、東京は様変わりした。崩壊寸前の人気のない街で、少女は窮地を助けてくれた男と暮らしていた。家事を手伝い、猫や犬を助けてきたりする真奈に辟易としながらも文句をいいつつ見守る秋庭。しかし平穏に見えた暮らしもやはり短く、三度の訪問者によって大きく変わっていく。

第十回電撃ゲーム小説大賞《大賞》受賞作。
LOVEです。やさしくて綺麗なお話だと思います。キーリといい塩の街といい、女の子取り込もうとしてるのかな。それとも審査員の趣味か……。でも兵器関連の記述が詳しくて、記号の羅列に見えてしまう子には反感がもたれるかも。えっ、知らん単語が出てくると悔しくなるのはわたしだけ? 男の子向け要素も女の子向け要素も入っているってことは裏返すと両方に反感がもたれてしまうかもしれないってことじゃないのかな。難しいところだ。

前半は短編連作風味に状況説明、後半はみんなの戦いの様子を。
塩害がどんなものなんだか詳しく説明されるのが後半ってのもちょっと辛かった。
それでも飛来したブツがなんなのかわかんないし、その作戦がどの程度効果があるのかも謎だし。東京だけじゃなく世界中にあるはずだし結構大変な作業なんじゃないだろうか。
それとか海の塩分濃度上がったら環境的には不都合はないのかね……いや、社会崩壊させるか東京湾崩壊させるか二択だったら後者を選ぶけどさ、世界中こんだけ塩が溢れてたらやっぱりやばいんじゃないかと。あ、海水温下がりそうだから温暖化問題は解消されるかもね。

あとがきの話。私ならきっと滅びることを選ぶ。そして自分の不幸に酔う。物事を解決できる力なんて与えられるはずないんだよねそんなネガティブな人には。とか最高に後ろ向きなことを考えながら。
真奈は秋庭を愛することができた。秋庭は事態を打開する技術を持っていた。入り江は自分のこと=みんなのことになるくらいスケールのでかい視野と天才的な頭脳を持っていた。『自分のこと』しか考えない人たちだったからこそ起こせた奇跡。やっぱり綺麗な物語。

それと、イラストの昭次さん。「埋葬惑星」のマフラー猫はかわいいと思ったんだけど、人はあんまり好みじゃないなぁと思った。色使いはきれいで大好きなんですが。口絵が強烈なネタバレ(?)だし。こっちの方が埋葬惑星より早く出たんだね。

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ライトノベルを中心に、ぐだぐだとバカなコメントを書きます。やってるときは燃え多め。

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