カラフル 森絵都
カラフル 作:森絵都 (理論社)
死んだはずのぼくに変な天使が言った。「おめでとうございます! 抽選に当たりました!」罪を犯して輪廻のサイクルから外されるはずが、下界にいる誰かの身体を借りて修業を積んで前世で犯した悪事を思い出せば、無事にサイクルに戻れるという。拒否権はなし。ぼくのホームステイの一年間が始まった。
はい、たまには児童書で息抜き。(ライトノベルの海で何を言うか)
本当は昔中途半端に聞いたラジオドラマの続きが気になっただけです。にしても中学受験の問題になったり、映画化までしてたとは知らなかったね。……小学生に読ませて大丈夫なのか? 推奨年齢はやっぱり、真と同じ中三ぐらいかな。いや、昔子どもだったあなたにもきっとお楽しみいただけると思います。
単純に面白い。正直絵を描き始めたあたりからオチは読めたんだけど、カラフルの意味とか、「人間死んだ気になれば何でもできる」という言葉の意味がわかった気がしてお得な気分。重いテーマですが、適度なコメディーで笑いもしましたし。お母さん、いくら趣味探したいからって「江戸芸かっぽれ踊り」はないでしょう。NHK講座でも見ればお金かからないのに!
天使、プラプラのキャラクターもいい。下界モードは目つきが悪そうな気安いお兄さんって感じ。ラストシーンで目を閉じろって言ったのは、きっと自分も目が潤んでたからでしょ?
あなたにも私にも、ぼくにも小林真にも、桑原ひろかにも佐野唱子にもお父さんにもお母さんにもお兄ちゃんにも、世界にもいろんな色がある。一色じゃないから面白いし、つらいし、悲しい。でも行き詰まった時には「ホームステイ」してみるのも悪くない。きっとあなたの中にプラプラが、やってきてくれるといいね。
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