姑獲鳥の夏 京極夏彦

姑獲鳥の夏 作:京極夏彦(講談社ノベルス ハードカバー・文庫もあります)

姑獲鳥の夏 (KODANSHA NOVELS)

いやー、一章読み終わるのに1時間ぐらいかかって、こりゃまずいなぁと思っていたらそのあとはすすっと読み進められました。分厚かったけど長くは感じなかったかな。うん、面白かった。

なんか単語が古めかしいなぁとは思っていたけど40ページ過ぎたあたりで「去年だかノーベル賞を取った湯川博士」と書かれていてやっと時代判明。同じく場所も「震災」と出てくるまで確定しなかったよ。ほんとに前情報なんにも仕入れないのもどうなの自分、と一人ツッコミ。ということはガチンコで私の祖父母と同年代。なぜ京極夏彦がこの時代を選んだのかは非常に興味のそそるところですな。言葉以外に古臭さが漂ってないのはどういうことなんだろう。

登場人物も探偵役がたくさん出てきて、作家に私立探偵、刑事はてまた古本屋にして神主兼陰陽師と職業書いただけでもわくわくしてきます。
それで事件がおこるのは娘は20箇月も身籠ったままでその夫は密室から失踪した産婦人科。そこではかつて乳児の失踪事件も起きていた。といった感じ。

旧家というか日本的な家系の悲劇。
面白そうな要素てんこ盛りだよな。そして京極堂の長い薀蓄も魅力の一つか。

受験の現代文で叩き込んだ実存だの認識だのなんて話を京極堂がとうとうと語っていて、「そうか、読書家の人は勉強しなくても知ってる話なんだなー」と再認識。中高生時代に全く読書してないツケ(?)がこんなところにも。いや、音楽に突っ走った過去を後悔しているわけじゃないが。

でも、映画化するんだよね。映像じゃアレ再構成しないわけにはいかないだろうに。もう「そんなんありかよ!」感が当社比2倍ぐらいになりそうな。キャスト見ても「ああ、こざっぱりした映画になるんだろうなぁ」とは思うが、やっぱ原作とは別物だと思うのが吉だろうね。

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ライトノベルを中心に、ぐだぐだとバカなコメントを書きます。やってるときは燃え多め。

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