GOTH リストカット事件 乙一

GOTH―リストカット事件 作:乙一 (角川書店) 

GOTH―リストカット事件

こりゃまたすごいよなぁ。
異常者にシンクロしちゃいそうなリアリティが。とても乙一らしい。やっと定石見えてきたかな。
っていうか初出ザ・スニーカー?! おとなしく最初からスニーカー文庫で出してくださいよ……いやいやそれじゃ本格ミステリ大賞取れなかったと思うけどね。

夜と僕はとても似ていて正反対。
妙なフェロモンを出して事件によく遭遇するくせに真実は何にもわかってない森野と、死体をよく発見してしまう僕の妹と、殺人事件現場に立つことが好きな僕。彼らを巡る6つの物語。

一番ゾクっと来たのは「暗黒系」の森野の変貌。すごい影響されやすい性格なんだな、森野。その変貌に不信感は抱かなかったのかい犯人さんよ。

「声」は、ちょっと登場人物像にムリがあんじゃないかなあと思うけど、一番せつなかった。これまでの展開からどうにかなるんじゃないかという妙な安心感が。
兄弟って生まれてはじめての敵だけど、それだけじゃない絆もあるはずなんだよな。森野の心がちょっと癒されたかなってのも好感触。

あとがきのあの部分が、あの人たちに伝わらなかったのはとても残念だと思う。
森野がリスカ痕を隠さないのは他人に興味がないから。
ゴスサイト作っちゃう人はGOTHじゃない。彼らはそれを表に出したりしない。それを不特定多数の他人と共有しようとは思わない。
ラーメンズ好きなわけねーんだよ! そこ誤解しないでほしいな。

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ライトノベルを中心に、ぐだぐだとバカなコメントを書きます。やってるときは燃え多め。

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