犬はどこだ THE CASE-BOOK OF “KOYA SEARCH & RESCUE”1 米澤穂信

犬はどこだ 作:米澤穂信 (東京創元社ミステリフロンティア)

犬はどこだ (ミステリ・フロンティア) ISBN : 4-488-01718-5 発行年月 : 2005.7

びっくりした。後半がこれぞ小説な話運び! 超スッキリ! まぁ確かにできすぎというか、ある程度の予測はついてしまいそうなところだけど私の意識からは遙か遠くをいかれた感じ。レポートでくっつけられるとは思わなかったけど。
ネットとか駆使してあって、ダメっぽいけど実はやる後輩兼押しかけ部下ことハンペーは人類最強と同じバイク(ドゥカティ)に乗ってて(そこかよ)、主人公は基本やる気がないというかペット探し専門が希望の、でも作者にペット探しなんぞさせてもらえないだろうことが明白な、サラリーマンを続けられなくなった紺屋。事務所開業とともに2つ事件が舞い込んだサーチアンドレスキュー社を舞台にちょっとハードボイルド目なストーリーが展開されます。味付けは民俗学。
ちょっと探され人に似た境遇にある人を知っていて、途中で「この小説めっちゃあなたっぽいよ!」と宣伝しそうになったけど、読み終わった後に「ごめん、全然違った」と心の中でつぶやいておいた。

淡々とした描写の中で淡々と突っ込む紺屋の語り口が素敵。
走り屋妹やアドバイスをするチャット仲間もいい味出してるの。
「流されないで(仮)」という続編も決まったようでとても楽しみですわ! 永遠に(メイン)犬探しはできないだろう紺屋に乾杯。今回の一見みごとな事件解決が評判呼んじゃったりしたらさらにせつないね……。次の事件がまた新たな心配事の種なんかになったら、満身創痍ですね、紺屋。がんばれ。

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ライトノベルを中心に、ぐだぐだとバカなコメントを書きます。やってるときは燃え多め。

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