平井骸惚此中ニ有リ 其四 田代裕彦
平井骸惚此中ニ有リ 其四 作:田代裕彦 イラスト:睦月ムンク(富士見ミステリー文庫)
絶縁に近い状態のご実家からの突然のお手紙にて、呼び出しを喰らった骸惚先生。澄夫人を連れ立ってのお里帰りとなりました。そんなこんなで平井家は河上君がお守りすることに。そんな秋も近づく九月の一日、後々に関東大震災伝えられることになります地震が帝都を襲い。風邪を引いた涼嬢と学校帰りのはつ子ちゃんを連れ、とある空き地に避難した河上君、そこでご一緒した人々の中で事件が起こってしまったのでございます。
そうか、大正十二年って大震災の年か。そりゃ夏終わらないよ……。
素で気付かなんだ。数字のことは突っ込まんでください。
震災ならではのミステリィ。いつになく太一頑張ります。しかし迂闊・粗忽・お調子者であることは変えられず。
いやあ渥美君はどうするんだろう、富士ミスにしちゃあ重いよ、と思ったらそう来ましたか。いや、巖さんの殺害状況ぐらいはわかったけどもね。
にしても河上君、ちょいと惚れっぽすぎやしませんか。いや、涼嬢のツンが観れるからいいのですけれどもね。そしてめずらしく帝大生っぽいところが垣間見えました。足長おじさん原文で読んだんですってよこの男。初めて負けた気がしたわ。(最初から負けてるんじゃなくって?)
「ごっこ」とかLOVEだねぇ。うまいよ。
やっと一人ですべて解決して、骸惚先生にご報告、と思ったらやっぱり骸惚先生に締められた。いや、やっぱりこれがないとね。
ますます「あの人」がわからなくなってきた……。はつ子ちゃんって線もなきにしもあらずか。「平井骸惚」が実在してるなら『平井骸惚此中ニ有リ』って本がが実在してるのおかしくない? つーことは作中作以外のの平井骸惚はフィクション? っていっても世の中にはもう最終巻が出ているのですけれどもね。
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