少女には向かない職業 桜庭一樹
少女には向かない職業 作:桜庭一樹 (東京創元社ミステリ・フロンティア)
ネガティブ。嫌いじゃないな、このネガティブ。まったくもって懐かしい感情の奔流。田舎の島に住む中学生の少女が紙一重で非日常に向かっていくさまがリアルに書かれている。なにがむかつくって親。もうやるせなさ爆発。いやでも「あなたがいなかったら」を口にしてしまう親って結構いるもんなんだろうか。そんなことはないと願いたいのだけれど。
そうそう、私も思ったことあるよ、斧がほしいなあって。あの押し入れをぶっ壊したら気持ちいいだろうなぁって。しかし買うなよ! バトルアックス。それを歯止めにしようと思ったようなそぶりもないし。重そうだし。今の私はそんなバトルモードが巻き起こるほど元気ではない。
殺人の相方、静香は学校では目立たない図書委員、私服はゴスロリの不思議ちゃん。彼女も強くはない。それが覆されるのは最後の最後だが、それと一緒に表紙裏の言葉の意味が染みてくる。少女たちの闘い。なんでそんな戦いになっちゃったんだろうと思う。
最後はさほど鬱でもないっていうか、こどもだからこそ救いになるって言うか。安心できるエンディングです。
ちなみに題名の元ネタの小説を先に読みたいな、と思ったら図書館になかったよ。つ、使えない……。さらに読む前にあとがき探したら最後の一行読んじゃった。ないのか、あとがき。楽しみにしてるのになぁ。
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