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魍魎の匣 京極夏彦

魍魎の匣 作:京極夏彦 (講談社ノベルス)

魍魎の匣 (講談社ノベルス)

怖い話だねぇ。
ちっとも進まなかった。確実に勘繰郎分ぐらいは読んでるのにまだサイコロ上下なんて余裕に見えるページ数が残ってんだもん!(なにゆえ例えが全部維新か) 細かいいろんなことは気がついたりもしたけど、京極堂が話しはじめてだいぶたつのにどう考えても残りページの厚みは5%切ってるのにまだ全貌がわかんないんだもん! (それは想像力とかミステリ経験とかの問題じゃ?) 陰惨さとかも含め姑獲鳥のほうが読みやすかった。多分。 
そして映画化はさらに難しいんじゃないだろうか。CG発達しないとできないわねぇ。発達してもお金掛けてくれなきゃチャチくなるよ? 綺麗に動かれても気持ち悪いと思うけどさ。

まさに狂気の物語。しかし、隙間を埋めていく快感って部分だけはちょっとわかる。(デフラグの詳細画面眺めるの大好き)でもえんぴつが減っていく様子を努力成果として観察するのも好きだったのでそこは埋めたいとは思わなかった。

多視点で謎が重なっていく様はわくわくしました。ちょっと頭のメモリが心配になったけど。
そしてやっぱり時代がなぁ。このネタするなら現代のほうがよいのでは? 確かに「軍部のパトロン」ってのは戦後じゃないとできないネタだけど、技術がそんなに発達してたとはどうしても思えなくてねぇ。
アレが突発的なものだったってことは、結局あの宗教は何のためのものだったの? 下僕にしたいだけ? 

それでも「ああ、アレはコレが元ネタだったのね」と思うものはたくさんあって、古典な香りを嗅ぎ取ってしまいました。知識増やしたいねぇ。

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後巷説百物語 京極夏彦

後巷説百物語 作:京極夏彦 (角川書店)

後巷説百物語 (Kwai books)

はい、直木賞受賞作。単作で読まれた方もいらっしゃるでしょうが、「前にお話しました~」という話は全て前作・前々作で語られていますので、興味をもたれた方は是非、読まれることをオススメします。

時代は明治のザンバラ髪が定着した頃、山岡百介は一白翁と呼ばれる隠居の好々爺になっておりました。そこに相談を持ち込んでくる怪異がらみの捜査に行き詰まった巡査とその仲間しめて四人。

中身は一白翁の昔話、やっぱり又市たちが活躍するわけですが、相談事の答えですから又市の仕掛けは話したり話さなかったり。身の回りの世話をしてくれる小夜さんが皆が帰ったあとに「で、真相はなんなんですか?」と種明かしを迫ったり、四人うちの一人にだけ種を明かしたりする構成もあったりで。
途中まで「もうなんだか『飛火槍』で万事解決しすぎじゃねえの?」とか思ったわけですが「山男」のラストあたりから語り口にやられましたよ。
「続」読み終わったときのような衝撃は受けませんでしたが、もう、安らいだラストで泣けますよ。又さんのような鮮やかさはないけれども、人柄のにじみ出たいい仕掛けでした、百介さん。私も百物語終わってほしくなかったです。でもお疲れ様でした。

例によってまた時系列順に並べ替えしたくなったんですが、最後の百物語で百介が語った順でFAなんでしょうな。ちっ、答えが出たら出たでがっかりするもんですな、こういうのって。
後残っている話があるとしたら百介の預かり知らない「又市たちの最後の戦い」ぐらいかな。いくらなんでもそれは語られないだろうし。別に京極堂にはつながってないでしょ? いや、可能性はないとはいえないが。

妖怪を媒介にして夢を追うことはなくなった現代だけど、それを埋めるものはあるのかねぇ。都市伝説にゃあムリだしね。又さんに温かくて時に残酷ないい夢見させてもらいました。ありがとう。

小豆洗い 野鉄砲 白蔵主 狐者異 舞首 飛縁魔 芝衛門狸 船幽霊 塩長者 死神 柳女 赤えいの魚 帷子辻 天火 山男 手負蛇 五位の光 老人の火 風の神

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続巷説百物語 京極夏彦

続巷説百物語 作:京極夏彦 (角川書店) 新書・文庫もあります

続巷説百物語 (文芸シリーズ)

ええ、ドラマ観れないけどドラマまでに感想上げようとしたら間に合いませんでした。
妖怪話を利用して人の中に住む悪を狩る小悪党どもの話第二弾です。

治平さんやおぎんさんの過去が語られたりして前巻の裏話的な部分もあったり、一部前巻と時系列がかぶったりしながら、「七人みさき」をキーワードにお話は展開していきます。前半は江戸で、後半は旅先で。短編集だけど話の繋がりは濃く。
仕掛けはますます大掛かりに、そして悪人たちを出し抜いていく様はますます大胆に。
アニメでやったのは「死神あるいは七人みさき」まででしたが、「老人火」はその後日談といったところ。船幽霊からはページ数はかなりあるのにそのボリュームを感じさせない怒涛の展開です。

百介が参加しなかった又市たちの最後の死闘は見事に省略されていて気になりますが、「一番怖いのは人間」というテーマで筋を通しながらほんのり温かい人間味も漂うお話でした。そしてシリーズの幕引きもあざやか。てっきり『後』にも続いてると思ったのにアレは明治の話なのですね。

ラストは少しさみしくて、戯作者として市井に戻った百介と八咫烏になった又市、陰と陽は交わることなく元の場所へ帰っていきました。心の中に確実な何かを残して。たぶん百介が百物語を書くこともないんだろう。
読み終わったあと、わりと凹んでる自分に気がついて、やっぱ私はこの小悪党共が大好きなんだと再確認。誰がなんと言おうと彼らは悪者じゃない。「金のため」なんていいわけだよなぁ。最高にかっこいい、爽快な、少し切ない物語でした。

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巷説百物語 京極夏彦

巷説百物語 作:京極夏彦 (角川書店)文庫も有ります。

巷説百物語 (怪BOOKS) 巷説百物語 (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE) 巷説百物語 (角川文庫)

直木賞をとったのはコレと「続」に続く「後」。三作目が本来新人賞であるはずの直木賞ってのはどうなのか。いや、京極にあげてる時点でそれもなしですか?

百物語ではあっても妖怪が出てくるわけではありません。
妖怪の話を利用して人の中に住む悪を狩る小悪党どもの話です。

私もアニメから入ってます。ちなみにこんなカンジ→公式ページ ぐにぐに~どろどろ~江戸時代もどき京極亭の世界。小説には京極亭出て来ませんよー。アニメでは京極夏彦本人が声優までかましてくれましたが。あまつ最終回……いやいや。(笑) アニメの感想なんかも日記に書いてたけど途中で書かなくなっちゃってたなぁ。挙句に最終回の前編見逃しちゃったよ。ははは。まぁその前に田辺誠一と遠山景織子の実写ドラマもあったわけですが。

あれ? 長耳さんがいない……。
若本規夫大好きなのに。こっちの名前は治平さんなのね。お爺さんなのね。

つうか舞首。これっっぽっちも被ってないじゃん! てくらいな別物。どういうことだ。アニメの舞首は黒歴史にしましょう。ええ。
それとカバー裏。帷子辻の九相詩絵巻カラーですよ。死体が腐っていくアレ。ぎゃー!

しかし、みなさんよく言われてますが本当によく30分アニメにしようと思ったよなぁ。
アニメだと原作に比べて又市一味の手口の賢さが半分も現れてないなぁと思う。
アニメが好きになった人は是非原作も! うーん、小説→アニメの人のほうが多い気がしますや。でも、アニメ→小説のほうが幸せだと思う。小説のほうが長さもあって完成しているから、アニメが陳腐に観えるかもしれないです。
両方楽しめた私は幸せモンだってことですね。アニメの内容ほどよく忘れたころに読んだし。

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ライトノベルを中心に、ぐだぐだとバカなコメントを書きます。やってるときは燃え多め。

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