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七姫物語 第四章 夏草話 高野和

>七姫物語〈第4章〉夏草話 (電撃文庫) ISBN : 4-8402-3561-9 発行年月 : 2006.9

最近いいことがないので癒しを求めて読んでみました。……「まったり」とはいえ、国獲り物語だった。陰謀とまではいかないまでも思惑が渦巻く。儀式とか同盟とか。今回はツヅミから巫女姫たちが撤退するまで。ううん、速度もまったりだね。刊行速度もまったりでそれが味なんです!
でもやっぱり口絵は和むなぁ。なんとなく深刻な言葉もついているんだけど、(しかも目次含め横書き。なんか納得いかない)それを補って余りあるイラストの雰囲気が柔らかいの。空澄姫を主人公にしただけあって空の色がきれいなのです。癒される。中の絵もカラーで見たいよ!

さて、今回サブタイトルは「夏草」だけど、春から初夏にかけてのお話。草の勢いづく頃。またカラさんがツヅミという世界を見て回るんですけど、今回は他宮の視点がたくさん入ってるだけあってカセンと空澄姫、それぞれの宮の立ち位置とかがよくわかりますね。テン様とトエ様の悪口も相当聞こえてきます。それぐらいじゃないと七宮目作ったりできませんね。うん。
それぞれがそれぞれの理想に向かって歩んでいくのですね。カラたちは生きているんだから。

そうそう、名古屋弁が出てきて、そうだなぁ高野さんグランパスサポだったなぁ、と思い出す。あのころはよくネットでお姿を拝見していましたが。お元気だったらそれでいいです。(次も出していいそうですから、とあとがきで書けるところはうらやましいです。七姫の底力を垣間見た気分)どんなに遅くなっても待ってます! 

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七姫物語 第三章 姫影交差 高野和

七姫物語 (第3章) 作:高野和 イラスト:尾谷おさむ(電撃文庫)

七姫物語〈第3章〉姫影交差 (電撃文庫) ISBN : 4-8402-3045-5 発行年月 : 2005.5

なっなっひめっ! なっなっひめっ!
今回も尾谷さんのイラストが素敵すぎます。特に扉絵。色もバランスも素敵ですー。こっちのほうが表紙より好きだけど、インパクトとしては表紙絵に軍配が上がるのでしょうねぇ。柔らかで落ち着いていてほっとする絵です。

まぁそれだけじゃなくて、なーんの話の進展もなかったような(気がする)前回とは違いまして今回はなんと残る六姫勢ぞろいしちゃったりなんかして。
三宮の常盤姫がかなりせっぱ詰まっちゃってるんですな。商都ツヅミとの同盟がなくなると干上がっちゃう山間の町で。でも七宮も攻められたからには応戦しないでいけるはずもなく。
とかなんとかやってると、戦いが始まりそうだからってんで開戦阻止のため姫宮集結。
二宮や双子宮なんかはかんなり「綺麗事言いやがってむかつくー!」とか思っちゃったりしましたが、黒い帽子のあの人がニラミ効かせてくれたおかげでなんか胸のつかえがおりましたよ。

この物語のいいところはきったなーい政治闘争をお付きの人が全部やっちゃってくれるところですな。姫宮には傷はつかない。それを良としないのが一宮の黒曜姫で、自分で動くし、でも妹宮の立場を責めるでもなく、シンセンを守るために影に表に活躍して。かっこいいなぁ。
せっぱつまっちゃってる三宮には例の絵描きがいっちゃってるもんで、それがコミカルに動いて深刻さを紛らわしてくれてるし。

そしてラストの三宮・七宮のゴタゴタが下々で処理される頃、常盤姫と空澄姫の会見ではちゃんと、まったりな雰囲気が戻ってきている。ああいいなぁ、血なまぐさくなくて。今後そうなるのかもしれないけど。

今の所一番の年下空澄姫ですが、単なる傀儡でもなく一人立ちしてくれることを期待します。琥珀姫も早く東和に帰ってこれるといいねぇ。

えーっと、分けわかんなくなってきそうなのでメモ。

一宮 黒曜姫 シンセン
二宮 翡翠姫 スズマ 真都同盟
三宮 常盤姫 ナツメ 鉄鉱山 シドウ将軍
四宮 琥珀姫 ツヅミ 一葉・四葉
五宮 浅葱姫 クラセ
六宮 萌黄姫 マキセ サイ家
七宮 空澄姫 カセン トエル・タウ テン・フオウ

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七姫物語第二章 世界のかたち 高野和

七姫物語(2) 世界のかたち 作:高野和 イラスト:尾谷おさむ(電撃文庫)

七姫物語(2) 世界のかたち (電撃文庫) ISBN : 4-8402-2574-5 発行年月 : 2004.1

めちゃくちゃ絵がきれいです! 柔らかくて、雰囲気にピッタリ。尾谷さんがジブリ好きで影響を受けたというのにも納得です。
はー、この雰囲気はとても好きだ。

でもなんていったらいいんだろう。ほんわか感は変わらないのにこの胸のわだかまりは。むしろほんわか感故の疑問というか。

巫女姫が統治する世界、東和は本当に大陸の片隅にあるんでしょうか。島国といってくれたほうが納得できやすい気がします。「領地争い」が起き得るのに、なんで十二国記よりもまったりしているのか。「陽子」が受けた試練より、「空澄」がした苦労は何十倍も生ぬるい。そして、市井に出るときの空澄姫の仮の姿「鞄持ち」カラカラの生活といったら、姫様から堅苦しさを取ったような楽な生活に見える。それはトエとテンがいるかいないかの差であるような気もしますが。
前回は四宮の侵攻というスパイスがあったけど、今回は雪祭りの季節にカラカラが都市に出て見聞を広める、といった内容なのでよりまったり。元四宮の傭兵将軍のちょっとした騒動はありましたが。

私自身、「和」という思想はとても島国的なものだと認識している。
他国の侵攻が考えられる大陸ではありえない。
そして「雪終」(ゆきおわり)や「櫻帰」(さくらがえり)といった十二の季節の呼び名などがより「ヤマト」な雰囲気を醸し出す。

今回広めた見聞を大いに発揮して、三章以降に活躍してくれるでしょう。その序章といった感じ。

ええと、より細かい突っ込みは「まな板に水」。ええっ、立て板だよ立て板!
改行は、前回よりは少ない気がしますが、やっぱり多いですね。

こう書くと深江は七姫嫌いなのかと思われるかもしれませんが、あれです、すきだからこそ。いや願望としてはむしろつっこまないで楽しく読みたいよう、好きなんだから。(泣)

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七姫物語 高野和

七姫物語 作:高野和 イラスト:尾谷おさむ(電撃文庫)

七姫物語 (電撃文庫) ISBN : 4-8402-2265-7 発行年月 : 2003.2

第九回電撃小説大賞金賞受賞作。

ほんわか国盗り物語。いや本当だって。
ある大陸の片隅で、先王の隠し子と呼ばれる姫君をそれぞれの都市が掲げ、七つの宮が立った。最後の七宮、カセンで武人のテン・フオウとその軍師トエル・タウに擁立されたのは孤児の空澄。まだ城に入る前、お金もなかった頃に「三人で天下を取りに行こう」と語った思い出が空澄の大切な宝物。
しかし三年が経ったとき、隣の都市四宮琥珀姫を擁するツヅミがカセンに侵攻を始める。

全然殺伐としてないんです。さわやかな風が吹いてるんです。
空澄姫は弱々しいだけの姫ではなく、芯の強さを持ったお姫様です。優しさを人に与えてあげられる強さは持った人なのです。周りの者も素性は知れない嘘つきだけどホンネはわかりやすい。

ツッコミは、改行多っ! ほぼ全ての文で改行。見たことないレベルだ。そして文章が体言止め多用。なんだかブツ切れの感を否めません。カギカッコの前に句読点がないのも気になる。というか句点がない文もあった。校正しっかりしろよー! まぁそんなのは成田氏に比べればなんでもないし慣れでどうにかなります。でもカラスミの一人称であるためか、事実が先に述べられ説明が後回しになるのはわかりにくい。ような気がする。

まったり感の強さの分だけスリルはないけれど、そのぶん青空が綺麗なのです。後味のとてもよい物語。なんか安心できて好きです。
素では「ひちひめ」と読んでしまうので、市井のおっちゃんが「ひちひめ」と読んでくれたのがなんとなく嬉しかった。……「ななひめ」って読む?

メモ:月の名前
命月 雪終 息吹 櫻帰 緑渡 水面 空澄 高夏 早風 名無 雪祭 終月

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ライトノベルを中心に、ぐだぐだとバカなコメントを書きます。やってるときは燃え多め。

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