キノの旅II-the Beautiful World- 時雨沢恵一
キノの旅〈2〉the Beautiful World 作:時雨沢恵一 イラスト:黒星紅白 (電撃文庫)
ISBN : 4-8402-1632-0 発行年月 : 2000.10
運
何が正しいのか?誰が正しいのか?
何が正しいのか?誰が正しいのか?
-What is “right”?-
口絵 「狙撃兵の話」 -Fatalism-
運命論。
絵本風に語られる師匠の儲け話。
無差別殺人者を殺す依頼を出した人数と同じくらいの人数が、同じ殺人者に対して「幸運の神様」だと思っている。すごい話だ。
プロローグ 「砂漠の真ん中で・b」 -Beginner’s Luck・b-
踊るキノ萌え。
運が強いって才能だよな。運がなければ悩み続ける自由さえないんだから。
第一話 「人を喰った話」 -I Want to Live.-
「正しくないよ。でも、死にたくはなかったんだよ」
「悪く思うなよ。ボク達は人間なんだ」
題名からオチは分かっちゃうんだけど、でも考えさせられる話。
これだけ年齢設定が「十代後半」になっている。
また時系列が…… って、そればっかりかぁ!!
第二話 「過保護」 -Do You Need It?-
親心子知らず――なんて言われましてもねぇ。
たまには子供の意見を聞いてあげてくださいよぅ。
戦争なんて行きたくないんだよまーくんは。
「お前のためだ」なんていわれても……ねぇ。
第三話 「魔法使いの国」 -Potential of Magic-
村人の豹変ぶりが見もの。ってか火あぶりに遭わなくてよかったね!
ファミリーネームがあるのってミーニャだけなんだよねぇ。
東欧系の名前だし……みんなにファミリーネームがあったら色々裏が見えるような気がするんですけどね。あるとしたらあえて隠してるのか。ムキ――!!
第四話 「自由報道の国」 -Beliebers-
騙されたよ!! みんな騙されたよね?
多分うちでとってる新聞は『メディア・デル・プレス日報』なんだよなぁ。
でも大学生のところには「就職に有利」って売り込みに来んだよな、勧誘のおっちゃんたち。(友人宅前で遭遇)
カンベンしてくれ。
第五話 「絵の話」 -Happiness-
戦車が好きで戦車ばっかり描いてた画家が、内戦直後の国にやたらに受けた話。
みんなが思いっきりいろんな解釈加えて作者と離れてしまった作品って、やっぱりダメなんだと思う。
第六話 「帰郷」 ――“She”is Waiting For You.――
青い鳥を探しに出たお兄ちゃんが、夢破れて帰郷した話。国も全滅してるし、殺されても良かったと思うよお兄ちゃん。
夢と妄想の違いを見極めるのは難しいですね。自分の実力を自分で測る力量は、持っていないと困る能力なんでしょう。はぁー。
第七話 「本の国」 -Nothing Is Written!-
本が大好きで批評ばっかりしている国民。作家になろうと思う人は命がけで国を出て成功しなければならない。そして「国民」にいい評価をもらわなければならない。
ほんと世知辛いなぁ。英題にも涙。
「十人くらいの人間が何かを成し遂げようと決意して、その願いを叶えることができるのは、一人いればいい方だ」
……耳が痛いです。
第八話 「優しい国」 -Tomorrow Never Come-
「最悪」な噂とは裏腹に、とても居心地のよかった国。キノが思わず「もう一日二日滞在できませんか」と聞いたほど。でもその秘密は英題の通り。
電撃hpの人気投票でも一位を獲得した話。感動物語です。大人の国とセットでお楽しみ下さい。
でも私はhp見たときは「どの国だ?」と思ったオバカです。ごめんなさい。
私にはその選択をする必然性が思い当たらなかったから。その不条理に納得できなかったんです。
エピローグ 「砂漠の真ん中で・a」-Beginner’s Luck・a-
師匠のところを出立した直後の話。
なんで森だの砂漠だのに迷い込むかなぁキノさんよう。
ほんと強運だなぁ。
「続・本の話」 -Anoymous Pictures-
鴻上尚史作”天使は瞳を閉じて”のユタカとかぶるんだよぅ絵描きさん。
(ミュージカルは観てないから知りませんが。彼が主役なんだよね?)世知辛いよぅ……おいらには運は味方についてないからなぁ。(今のところ)
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