カテゴリー ‘ その他(軽)小説

銀盤カレイドスコープvol.4 リトルプログラム:Big sister but sister 海原零

銀盤カレイドスコープ (Vol.4) 作:海原零 イラスト:鈴平ひろ (集英社スーパーダッシュ文庫)

銀盤カレイドスコープ vol.4 リトル・プログラム:Big sister but sister (銀盤カレイドスコープ) (集英社スーパーダッシュ文庫) ISBN : 4-08-630224-1 発行年月 : 2005.2

さてさて今回の主役はタズサの妹、ヨーコ。12歳のノービスAの選手。
でもライバル神尾来夢との実力の差ははっきりついていて、一度も優勝したことがない。それなのにマスコミや観客の注目はいつもヨーコに向いていて、ヨーコ目当てに来た観客も来夢は自分の演技に引き込んでしまう。
「第一人者の妹」という肩書きが姉とは違う葛藤を呼び起こす。姉とは違って人当たりはいいほうで、ヒールの姉のように自分が暴言を吐くことを狙っているマスコミ。そして来るものは拒まない姉は、来夢の個人レッスンを私の前で引き受ける。

今回もきっちりスポ根で、ベタで、心理描写がこまやかで、よいですね。
注目してほしくないんだけど、演技を観てほしい。そしてその理想とのギャップで自信喪失。共感できるできる。
にしてもアメリカ追い出されたのかタズサ。(少々語弊あり)えらいこっちゃで。
まぁ下品なところは……「ガバガバ」あたりですかねー。確かに徹底してるわね。絵師のお言葉:「今回の主人公はヨーコちゃん! そんな訳で桜野姉妹に桜にさくらんぼにしました!」 そっちなの?! 本編に忠実なだけじゃないの?

「クリスマスバーゲン」かわいい。

そしてLOVEが……甘いよ小沢さーん! (誰?) 幼馴染み系で実にベタですが。タズサ主人公ではこうはいかないね! タラシの相手は大変だろうけどヨーコがんばれ。タズサあんまり好きじゃなかったけどいいお姉さんじゃん。真夜中のアレもご褒美のアレもステキなプレゼントだ。脇役なのに存在感は桜野タズサそのまんま。器のでかさが現れる姉だわね。タズサのヨーコへの感謝も今後書かれるのかね。
来夢ともうまくやれそうだし。きっと二人で彼女たちの世代のフィギュア界を引っ張っていくのだろうね。桜野姉妹の暗黒時代でもいいけどー。

2巻読み終わったときはどうやって続編書くんだろうと思っていたけど、幽霊関係はあっさり切って純粋なスポ根に切り替えたのはすごいと思う。なんだかシリーズ終盤までの構想が作者の中にはあるようなので、密かに期待。

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ZOO 乙一

ZOO 作:乙一 (集英社)

ZOO

図書館で借りたらまた帯が貼ってありました。わかった。司書の中に乙一ファンがいるな?! じゃなんで「夏と花火と私の死体」入れてくれないんだよ! (逆ギレ)

「カザリとヨーコ」でスズキさんが出てくるまでに早くも挫折しかけ、いろいろ黒かったけど何とか読みきりました。口調がファンキーなのも救いかしらね。

血液を探せ! は「いやそれよりもその血液パック常温保存してたら腐ってないか?」とツッコミを入れ、「SO-far そ・ふぁー」は事故が微妙だよ、大阪で上映禁止になったらどうしよう(5月21日から公開)とガクプルし、「冷たい森の白い家」はお母さんに涙し、「Closet」は最後の一文にビビり、「神の言葉」はなんで乙一の異能者は破滅に走るかなぁー(黒いからだろ)と一人ツッコミ、「落ちる飛行機の中で」はなんだかほんのり笑えてよかった。(いや、やっぱ死人は出てるんだけど)

カザリとヨーコは端々のヨーコの口調にニヤリとして、なんかほっとするエンディングで(それも危ない考えだろうけどまあいいや)よかった。
「陽だまりの詩」は「ああ、こんな話が書きたかったなぁ」と思った。この気持ち、久しぶり。森の中の静かな生活ってすごい憧れるのですよ。まぁアプローチもアイディアも全く違って完敗だけどな! なるほどなるほど。といった感じ。大好き。永遠に続いても、半分は感謝する気持ちが生まれるのだから、できなくなるまで続けられてもいいんじゃないかな。
「SEVEN ROOMS」は、「SO‐far そ・ふぁー」にも通じる家族愛が好き。悲しいけど切ない、これこそ乙一が目指してるという灰色乙一? 白と黒との混じり具合が感動です。いや、「SEVEN ROOMS」の方が視覚的に黒いけど。「SO‐far そ・ふぁー」の方が精神的に黒いのでなんとかあったかいような。

映画になるのは「SEVEN ROOMS」、「カザリとヨーコ」、「SO-far(そ・ふぁー)」、「陽だまりの詩」、「ZOO」の5本ですね。しかし、ZOOって映像化しちゃっていいんですか? 九相図ムービーはどうするんですか? 狂気だよなぁ。最後には持ってきてほしくないのは私だけですか? いやでも、「SEVEN ROOMS」の流れていくアレもかなりのものだけどね……。
ちょっと怖いけど行けたら観にいこう。

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骨音 池袋ウエストゲートパークIII 石田衣良

骨音 池袋ウェストゲートパーク3 作:石田衣良 (文藝春秋・文春文庫)

骨音―池袋ウエストゲートパーク3 (文春文庫)> ISBN : 4-16-321350-3 発行年月 : 2002.10

マコトの優しさがほっとしますな。いつも通り、おもしろいんだけどねぇ。こんだけ全話にタカシが出てくると王様の希少性が薄れるというか、タカシの存在がこの話で一番ファンタジーなんじゃないかと思えてきた。上下関係が薄れてるって言う現代で、チーマーの王様って実在するんだろうか。

「あれ? 身内死ぬの初めてじゃない?」と思ったけど、そいやしょっぱなの話から被害者も加害者も身内だったな。なんか一作目読んだ時が遠い昔のようだ。(え?)
あと、出てくるモー娘。が全員卒業していて今現在誰もいないとか。
「キミドリの神様」も夢があって好き。

いやー、「ビジュアル系」の定義について話し合う必要がありそうだね。(誰と?)
一般的にそう呼んだときには「ゴシック系」も含むもんだと思ってたが。「ビジュアル系ブーム」が96年ごろのものだとしたら、そのときから観客は真っ黒だったぞ。紫・緑・オレンジ・ピンクに髪の毛染めたバンドマンっていつの時代の人よ。X JAPAN? BOΦWY? 一風堂? いや、紫はいたかもしれんがそれ以外は見たことない。青とか赤とかじゃない? 以上当時ヴィジュアルのコピーバンドしてた人のグチでした。

それよりも! クラシックも気になりまくりの私にはこのCDがめちゃ気になりますよ!
池袋ウエストゲートパーク Classic Edition
選曲石田衣良、発売2005/04/13、お手頃価格の2000円! ワオ! 自分で集められる知識があればいいのにね。
うーん、IWGPは間違いなく大好きなんだけど、コメンテーターとしての石田衣良はあんまり好きじゃないなぁ。口調が好きじゃないんだ。正論言われてもなんか納得できないんだよー! えー、あくまでも個人的意見です。

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暗黒童話 乙一

暗黒童話 作:乙一(集英社文庫・新書もあります)

暗黒童話 ISBN:4087476952

菜深は片目の眼球を失ってから記憶をなくした。周りが求めているのは優等生だったらしい以前の菜深で、今の菜深には居場所がない。祖父のはからいで眼球移植を受けてから、左目に見知らぬ場面が映るようになった。かつて左目の持ち主だった和弥の記憶、それを得てから気持ちが落ち着くようになった。しかし和弥の死因がただの交通事故ではないと知ったとき、菜深は仇をとる決心をする。

Let’s黒乙一! 図書館で借りたら空きページに帯貼り付けてありました。こんなの初めて。そんなに岩井志麻子のお言葉は重要なのかー。
グロめのホラー+ミステリーです。映像化は頼むからやめてください、ぐらいの勢いです。地下室の方々を目撃しちゃった日にはきっとトラウマです。童話なのは作中作品で、冒頭と中ほどで語られます。やっぱりグロめです。暗黒だし。
なんか超能力っぽい力も出てきます。その前に眼球移植だしなー。そこらへんのリアリティは求めないで下さい。

いやでもホラーの中にもせつなさはちゃんと入っていて、さすが乙一。周りに受け入れられない自分なんかの描写は痛いね。それが最後の意志に繋がってるから安心できる。弱かった自分の気持ちを知った菜深は以前より優しい女性になったんだろうね。
記憶喪失にならなくても過去の自分は基本的に他人だよなー。「あーなんであの時あんなことしたんだろ、あの子に謝りたいな」と思うことは誰だってあるんじゃ。私だってココの過去ログ読んで「なるほどー!」と膝をつくこともあります。(それは忘れ過ぎ)

それにしても一番笑ったのは折り返しの言葉。そりゃねぇよ親戚の方々。
乙一がフリーアルバイターだったら誰が小説家なんだよー!

乙一インタビュー
http://www.shueisha.co.jp/ankoku/detail/index.html”>http://www.shueisha.co.jp/ankoku/detail/index.html

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少年計数機 池袋ウエストゲートパークII 石田衣良

少年計数機―池袋ウエストゲートパーク〈2〉 作:石田衣良(文藝春秋・文春文庫)

<少年計数機―池袋ウエストゲートパーク〈2〉 (文春文庫) ISBN : 4-16-319280-8 発行年月 : 2000.6

あいかわらずいろんな人出てきます。ネットののぞき部屋のNo.1、そのスカウトのオナベ、ヤクザの組長にコネのあるエロ老人二人組、暴走族上がりのアクセサリーデザイナー、身障娼婦、池袋のアンダーグラウンド丸ごと敵に回した前科者。あ、表題のモノを数え続けるLD児を忘れてた。誰もが現代的で、でも都会の中に当たり前にいて、そして異常な存在である人々。
一言でいってしまうと「強烈に個性が豊か」。でもそれらと日常生活の中で出会ったとき、マコトのように付き合える人はそうそういないんだろう。出会える確率も少ないから人生の肥やしにできる人はホンの一握り。だから人は小説を読みたくなる。自分はGボーイズの人手を借りることも刑事に資料もらうこともできないから。そのマコトは文章書くときや計画を練ってるときに自分にはない苦しみを感じているけど、十分に魅力のある生活。100キロ分のスイカを運ぶだけでできるならやってみたい。

体言止め多用で段落も多くてさらっとした文体のせいで軽い感じだけど、わりと人がよく死ぬんだよなぁこの小説。仕掛けもかなり大掛かりになってきた感があって、これ以上いくと大丈夫かなあと思うわけですよ。このシリーズは5+外伝まで出てるんですが。
で、読み終わったあと表紙に目をやると写真が鳩なわけですよ。うわああああー一気に背筋が冷える。生きものの命を一つ奪って器物損壊する人には出会いたくない。

クラシックは完全についていけなかった。付け焼き刃じゃムリか。
そしておバカなわたしはアキラの最後の言葉を「noridaieshiyagatte」と読んで「???」だった。台無しだよわたしのバカヤロウ。……でも「nori」を漢字で書いてもらったほうが読みやすくないですかね?

他刊の感想
1 3 外伝 4 5 6

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続巷説百物語 京極夏彦

続巷説百物語 作:京極夏彦 (角川書店) 新書・文庫もあります

続巷説百物語 (文芸シリーズ)

ええ、ドラマ観れないけどドラマまでに感想上げようとしたら間に合いませんでした。
妖怪話を利用して人の中に住む悪を狩る小悪党どもの話第二弾です。

治平さんやおぎんさんの過去が語られたりして前巻の裏話的な部分もあったり、一部前巻と時系列がかぶったりしながら、「七人みさき」をキーワードにお話は展開していきます。前半は江戸で、後半は旅先で。短編集だけど話の繋がりは濃く。
仕掛けはますます大掛かりに、そして悪人たちを出し抜いていく様はますます大胆に。
アニメでやったのは「死神あるいは七人みさき」まででしたが、「老人火」はその後日談といったところ。船幽霊からはページ数はかなりあるのにそのボリュームを感じさせない怒涛の展開です。

百介が参加しなかった又市たちの最後の死闘は見事に省略されていて気になりますが、「一番怖いのは人間」というテーマで筋を通しながらほんのり温かい人間味も漂うお話でした。そしてシリーズの幕引きもあざやか。てっきり『後』にも続いてると思ったのにアレは明治の話なのですね。

ラストは少しさみしくて、戯作者として市井に戻った百介と八咫烏になった又市、陰と陽は交わることなく元の場所へ帰っていきました。心の中に確実な何かを残して。たぶん百介が百物語を書くこともないんだろう。
読み終わったあと、わりと凹んでる自分に気がついて、やっぱ私はこの小悪党共が大好きなんだと再確認。誰がなんと言おうと彼らは悪者じゃない。「金のため」なんていいわけだよなぁ。最高にかっこいい、爽快な、少し切ない物語でした。

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小説鋼の錬金術師2 囚われの錬金術師 井上真

小説・鋼の錬金術師〈2〉囚われの錬金術師 作:井上真 イラスト:荒川弘(スクウェアエニックスコミックノベルズ)

小説・鋼の錬金術師〈2〉囚われの錬金術師 (Comic novels)

ページ開けたら「字でかっ!」とか思ってしまった。うーんこの感覚、英語教科書(ペーパーバック)の和訳本の児童書以来か。あれは便利だった……(勉強にならないよ) まぁ読みやすいってことですよ!

にしても題名といい最初の場面といい、狙いすぎやろ! とツッコミかけましたがこういうのは楽しんだモン勝ちよね! 大佐の隠し子発覚です。あらやだわ。荒川さんのあとがきひとコママンガだけでもご飯2杯はいけます。ロイアイ分も補給できたし。
雰囲気としては原作というより、アニメの一話完結話のようなノリ。賢者の石さっぱり関連してないし、軍部中心で楽しいですよ。というよりは大佐の独壇場? 有能ぶりが拝める代わりに隠し子も追及されてて面白かったけどね。そういう面に対しては部下の信用なさそうだしなぁ。

大佐が東方司令部司令官とか書いてあって「いつの話よ!」と奥付見てみたら2003年10月でした。そりゃそうか。ブレダだけ顔が思い浮かびませんでしたごめんなさいごめんなさいアームストロング筋肉の継承者。おかしいなぁ。9巻で影が薄いからだよ! (ムチャクチャ論理)

オイルと手入れでピカピカアルに萌えー。
に比べて兄さんは……誘拐されるなよ。眠らされたのって不可抗力? 目覚めたあとはいつもどおりの大暴れだけどねぇ。
で、犯人さん、「いくらなんでもそんな有名な会社名?!」とか思ってたらフェイントだった。くそー騙された。

それはともかく、BSマンガ夜話でアルどーもくんがいたらしいですね。うおー見てみたかったー!
にしてもこれはアニメに組み込まれなかったってのが哀愁を漂わせるよねぇ。似たようなネタが他にもあったから仕方ないか。

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池袋ウエストゲートパーク 石田衣良

池袋ウエストゲートパーク 作:石田衣良(文藝春秋・文春文庫)

池袋ウエストゲートパーク (文春文庫) ISBN : 4-16-317990-9 発行年月 : 1998.9

言わずと知れたドラマ原作。中編連作で、4つの物語が収録されています。
98年当時読んでりゃ同世代くらいだったんだけどね……。PHSとかエアジョーダンとかglobeとか、ちょっと古臭くなってるねというのは仕方ないことですなぁ。アムロってカタカナで書かれるとレイさんを連想してしまいます。若いっていいなぁ。

で、イメージと全然違ったのさ。
なんかドラマの予告かなんかで、取調室にいる長瀬智也が
「どこにいたんだ」
「ウエストゲートパーク」
「西口公園といわんかー! カッコつけやがって」(殴られる)
みたいな映像を見た覚えがあるのに、マコトは刑事と顔見知りだしさ、マコトの立ち位置も探偵というよりは世話役で、やりたいことをやってるんだよね。「見ていられない」とか「居心地のいい池袋を取り戻すため」という言い訳の元に、それなりに苦しみもがきながら。

にしてもだ。弦楽セレナーデってワルツだったんだ。(「オー人事オー人事」の曲)着メロで確かめてしまった。とても踊っている人は想像できなかったな。あのCMが強烈すぎるのかもしれないけど。あとのクラシックはよくわかんなかったやー私も逃げ道程度にしかクラシック聴かないからなぁ。

作者がワイドショーのコメンテーターとかでよくブラウン管に出てくるようになったんで、オカンも興味を示したらしく貸してみたら、10分ぐらいで戻ってきた。たぶん「若者」な雰囲気が合わなかったんだろう。
「大人」から見たらここに出てくる登場人物たちは「不良」で片付けられてしまうんでしょうが、奴らはバカじゃない。チーマーや風俗嬢や、引きこもりや電波オタクでも、街の平和を願ってる。
私も最初は「若いっていいなぁ」と一つ引いたところから読んでいたんだけど、いつの間にか普段の読書と変わらない視点で引き込まれていたんですよ。これはわりと広い視野がいいのかなぁ。街にはいろんな人がいて、犯罪を見過ごす話もあれば警察にしょっ引く話もあって、妊娠ネタと一緒に不妊治療の苦しさが描かれる。これらがでてくるまで読んでくれたら中年にも共感してもらえる率が上がるんじゃないだろうか。

そりゃあ、各チームリーダーからやくざから、池袋署長にまで顔が利いて頭の切れる元ヤンの果物屋なんてファンタジーなのかもしれないけど、あったらいいなぁと思える。最後の誘いに乗って池袋に行ってみたい。

むー、ちょっとドラマを見たくなったぞ。(遅すぎる)
さーて、少年計数機も借りてくるかー。

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放課後退魔録 ロストガール 岡本賢一

放課後退魔録 ロストガール 作:岡本賢一 イラスト:黒星紅白 (角川スニーカー文庫)

放課後退魔録 ロストガール (角川スニーカー文庫)

イラスト買い第二弾。そういえば初スニーカー。わーい。

いやー、このサブタイトルはありがちなんだけど、この後がねぇ。
ぬだらべ(二巻)とか殺し屋と月見うどん(三巻)とかナツメ(四巻)とか、どんな話なんだかわかんないなーと思ってたんですけど、いつの間にか完結してたんですね、ウサミミ妖怪ノベル。すごいコピーだな。まぁ、放課後になんか魔物と戦うってことはわかるんだけど。
ナツメは主人公の恋人(?)でした。しかしぬだらべってなんだよー。それは2巻を読めばわかるんだそうです。

ともあれ、本編は……パンくわえて急いでたらウサミミに衝突ですよ。ウサミミはなんだろうと思っていたらコスプレでしたよー! もうなんかとってもベタでした。
妖怪で溢れる学園と妖怪化していく主人公、危機は恋人に迫っていて天然不思議ちゃんのウサミミウサ靴のサヤや、大正チック黒メガネの生徒会役員よしえに妖魔術クラブに勧誘されます。そして自分の先祖を名乗る妖怪(自称:妖精)も登場。

ラストはびっくりしたし、「自分を持たず時代に流されていたら妖怪化してしまう」というのは耳が痛かったりしますが、とりあえず萌えや設定詰め込んでおきましたな感が否めません。忘れてしまっていた妹まででてくるもん。使われなかった地下校舎とかありえねー!! 教育機関は健康的に地上に作ってくださいよ。

いやでも一番ありえないと思ったのは親子の会話。
父物分かりよすぎー!! 息子が23時過ぎに高校へ行くって言ってるんですよ? 人間じゃない奴と戦いに行くって言ってるんですよ? 強行突破してほしかった……。あーまー血筋的に妖怪化しやすい家系なんだそうなので、きっと父にも思い当たるところがあったんだよな。たぶん。

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銀盤カレイドスコープvol.3 ペアプログラム:So shy too-too princess 海原零

銀盤カレイドスコープ〈vol.3〉ペア・プログラム:So shy too‐too princess 作:海原零 イラスト:鈴平ひろ (集英社スーパーダッシュ文庫)

銀盤カレイドスコープ vol.3 ペア・プログラム:So shy too-too princess (銀盤カレイドスコープ) (集英社スーパーダッシュ文庫) ISBN : 4-08-630167-9 発行年月 : 2004.1

ピートと別れたあとタズサはバイリンガルになり、LAに本拠地を置き世界選手権銀メダルに輝く17歳になっていた。そんな時ペアの選手で親友のシンディが怪我をした。今季絶望。そのパートナー、オスカー・ブラックパールは他のペアを組まずシンディの復帰を待つという。それなら私が……ペアって前からやってみたかったのよね。

基本的に前作と構成は同じですな。イザコザや怪我を乗り越えて、最後に明らかになるフリーで最高潮に。それと前作に引き続き、期間限定のラブ感がよいですな。
そしてタズサを目の敵にしているマスコミも勝てば官軍かでなびいたかと思いきや、至藤響子が現役である限り、いや永遠にタズサは悪役を演じないといけないんだろうな。そんな今シーズン、何の因縁かドミニク・ミラーまでペア転向。さぁ、叩きのめしてあげておくんなせぇ!! 

にしても顔が一回も出てきていないはずのピートですら表紙を飾ったのにどうしてオスカーは後ろ姿なのー?! ひどいー。(笑)
それと一巻のときから思っていた疑問なのだが、ポニーテールってフィギアに向いてなくないか? 遠心力のついたポニーテールってかなりの凶器です。振り返られただけで結構痛いです。それがイラストのタズサのようにロングヘアならば余計に。当たりまくりだったろうオスカーに合掌。いや、生傷が絶えない競技だろうからこんなもんで弱音は吐いてられないだろうけど。

このシリーズ、期待感が強かったのかそんなに周りが大プッシュするほど面白いのかなぁ? と思いました。やっぱりただ単に女性向が肌に合わないだけ、という可能性もある。そしてどうも、甘いような気がするんだよなぁ。そんな簡単に上位に食い込めないと思うんだよ。あーでも天才だからで片付くのかな?
でも普通に面白かったんだけどね。

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ライトノベルを中心に、ぐだぐだとバカなコメントを書きます。やってるときは燃え多め。

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