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ハリー・ポッターと炎のゴブレット J.K.ローリング

ハリー・ポッターと炎のゴブレット 上下巻2冊セット (4) 作:J.K.ローリング

ハリー・ポッターと炎のゴブレット 上下巻2冊セット (4)

一昨年から何回挫折しただろうか。やっとこさ読み終わりました。もうね、3年も経っちゃ前巻までの伏線なんかすっかり忘れまくってるし、全然進まなかったんだよね。どっかに伏線まとめたサイトとかないでしょうか。(騎士団ならともかくゴブレットじゃねぇ) 三校対抗試合が始まってからはそれなりにおもしろかった。腐ってもハリポタ? でもサクサク進むほど面白くもなく(特にロンが誤解してたとこは鬱展開だ)、読み流せるほど短くもないところが痛いところだ。もう歳食っちゃったのかなー。

個人的に、ヴォルデモートの魅力がわからないのよね。なんでみんな死喰い人になっちゃうんだろうか。スリザリンの貶められぷりっとかも腑に落ちないし。組み分け帽子の歌、ひどくなかった? カルカロフの扱いとか。ここが最大のネックだと思う。
んでもってハリーが選手になるんだろーなーと思ったらホントになっちゃって。わー。
それゆえの気苦労(でも味方がいるから大丈夫)とかもあるんだけど、4年後にはハリーも立派なワールドカップ選手になるんでしょうね。

新しい要素としたら恋ですかねー。
あと、ハーマイオニーってそんなに美人じゃなかったのかー(すっかり脳内キャストはエマ・ワトソン。ハーちゃんだけじゃなくて全員映画キャスト) 
そして最後にわかったからくりは、やってたほうがすんげー芸達者だなあ、と。

それと屋敷しもべ妖精解放運動。次もやんのかなぁハーマイオニー。
解決されてない伏線ももりもりだけど、また忘れ去っちゃうんだろうなぁと。
特に次は超鬱展開らしいし、その次は誰か死んじゃうらしいし、読み続けられるかどうかとても微妙なのが我ながら情けない。でも小説読みきれなくても映画がTVでやってれば多分観れるさ! 多分だけど。

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[小説]鋼の錬金術師 翔べない天使 井上真

ゲームノベルズ 鋼の錬金術師 翔べない天使 文:井上真 イラスト:荒川弘

ゲームノベルズ 鋼の錬金術師 翔べない天使 (Game novels)

ゲームはやってません。でも1時間ぐらい端で観てました。……やっぱ軍部連中には勝てないエンディングですか。残念。周りに誰も勝てた人がいないんですけど、アレホントに勝てるもんなんですかね。ホッピングもないのね。 私? 私はRPGは常にレベル上げして余裕を持って敵に挑まないと勝てませんよ? それでも生きるか死ぬかの緊張感は味わえますよ? どころかRPG最後までクリアしたことナイデスヨ? ダメダメですね。うん、ゲームは横で観戦するに限る。アルの「OK!」や戦車に乗ったアルなど(アルばっかりか)に思う存分萌えられます。オススメゲームです。私にはクリアできませんが。

そうです、OPと、キメラ戦ちょっとと、最終軍部戦からEDしか観てないのであらすじは教えてもらったんですがゲーム観戦時はさっぱり理解できなかったんですよ。いい本が出るもんですね。師匠と弟子なんてすっ飛ばしてたので、そこをみっちり描いてくれてたのは嬉しいですね。父と娘もよいですね……。手紙も泣けるね。

しかし、そもそも天才というエドの存在は等価交換じゃないだろとかいろいろツッコミありましたけど、登場人物自ら否定してくれたのは初めてですね。どうするんでしょ。

秘書さんが萌えですね。コミックス8巻についてたプロローグでは黒髪だったけど。最後の感傷なんかもステキです。いやー、メガネ似合うわー。
「肩車はできないからおんぶ」とか、アルが一回ハンマー使ってたり、萌えー。大佐の意地悪ぶりもあいかわらずでにやけますね。ファルマン准尉とかフュリー曹長もいい仕事してますね。ハボにはライフルが似合うね。
えっ、カミラの正体ってラ○トじゃないの? (キャストが違います)とかね。

切ないお話でした。なんでアルモニの錬金術は眠ってたのか、とか疑問は残りますけど、咲いた花々は喜んでいるだろうなぁと。ずっとずっとあの親子のお墓を見守り続けてください。

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GOTH リストカット事件 乙一

GOTH―リストカット事件 作:乙一 (角川書店) 

GOTH―リストカット事件

こりゃまたすごいよなぁ。
異常者にシンクロしちゃいそうなリアリティが。とても乙一らしい。やっと定石見えてきたかな。
っていうか初出ザ・スニーカー?! おとなしく最初からスニーカー文庫で出してくださいよ……いやいやそれじゃ本格ミステリ大賞取れなかったと思うけどね。

夜と僕はとても似ていて正反対。
妙なフェロモンを出して事件によく遭遇するくせに真実は何にもわかってない森野と、死体をよく発見してしまう僕の妹と、殺人事件現場に立つことが好きな僕。彼らを巡る6つの物語。

一番ゾクっと来たのは「暗黒系」の森野の変貌。すごい影響されやすい性格なんだな、森野。その変貌に不信感は抱かなかったのかい犯人さんよ。

「声」は、ちょっと登場人物像にムリがあんじゃないかなあと思うけど、一番せつなかった。これまでの展開からどうにかなるんじゃないかという妙な安心感が。
兄弟って生まれてはじめての敵だけど、それだけじゃない絆もあるはずなんだよな。森野の心がちょっと癒されたかなってのも好感触。

あとがきのあの部分が、あの人たちに伝わらなかったのはとても残念だと思う。
森野がリスカ痕を隠さないのは他人に興味がないから。
ゴスサイト作っちゃう人はGOTHじゃない。彼らはそれを表に出したりしない。それを不特定多数の他人と共有しようとは思わない。
ラーメンズ好きなわけねーんだよ! そこ誤解しないでほしいな。

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電子の星 池袋ウエストゲートパークIV 石田衣良

電子の星 池袋ウエストゲートパーク〈4〉 作:石田衣良 (文藝春秋・文春文庫)

電子の星 池袋ウエストゲートパークIV (文春文庫) ISBN : 4-16-322390-8 発行年月 : 2003.11

東口ラーメンライン
ラーメン食いたい! あの博物館の隣のラーメン屋がうまいんだ! 腹減った時間に読むもんじゃないな。しっかしあのツインタワー1号2号がラーメン屋に。世の中は広いものだね。確かにラーメンテーマパークとかはあの時期流行っていたけど、今どうなんだろうなぁ。だいぶ下火になっているはずだから、本当に実力のあるところ以外生き残ってないかもしれないね。狙うなら今か!
スペシャルスープの回ってコレだったのね。うわあああ観たい気もするけど再放送は?

ワルツ・フォー・ベビー
いい話じゃねぇかこのやろう。切なくて、強くって、よいなぁ。ありがちといえばありがちだけど。

黒いフードの夜
娼年?(いや違います) えーっと、ミャンマーじゃないのか? (細かいしそれこそ軍事政権が改名しただけだから)
 
サーヤには幸せになって欲しいね。

そして「このラノ作家」のインタビューで「デュラララ!!を書き終わってから読み直したら設定被りまくりで書き直しました」とか書かれていたような気がする表題作「電子の星」は……どんな風に被ってたのか非常に気になります。似ても似つかないような気がするんですが。ネット使ってるだけじゃん! まあいいか。
でもIWGPの傾向としてはこのアブノーマルな趣味を持った人が依頼人、ってパターンが多かった気がしますが、今度は反対ですな。
本人は狙われないのかねぇ。マスコミに有名になったから大丈夫か。

コレまでにないくらい想像するとグロい話が多かったなぁ。苦手な方はご注意を。

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カラフル 森絵都

カラフル 作:森絵都 (理論社)

カラフル

死んだはずのぼくに変な天使が言った。「おめでとうございます! 抽選に当たりました!」罪を犯して輪廻のサイクルから外されるはずが、下界にいる誰かの身体を借りて修業を積んで前世で犯した悪事を思い出せば、無事にサイクルに戻れるという。拒否権はなし。ぼくのホームステイの一年間が始まった。

はい、たまには児童書で息抜き。(ライトノベルの海で何を言うか)
本当は昔中途半端に聞いたラジオドラマの続きが気になっただけです。にしても中学受験の問題になったり、映画化までしてたとは知らなかったね。……小学生に読ませて大丈夫なのか? 推奨年齢はやっぱり、真と同じ中三ぐらいかな。いや、昔子どもだったあなたにもきっとお楽しみいただけると思います。

単純に面白い。正直絵を描き始めたあたりからオチは読めたんだけど、カラフルの意味とか、「人間死んだ気になれば何でもできる」という言葉の意味がわかった気がしてお得な気分。重いテーマですが、適度なコメディーで笑いもしましたし。お母さん、いくら趣味探したいからって「江戸芸かっぽれ踊り」はないでしょう。NHK講座でも見ればお金かからないのに!
天使、プラプラのキャラクターもいい。下界モードは目つきが悪そうな気安いお兄さんって感じ。ラストシーンで目を閉じろって言ったのは、きっと自分も目が潤んでたからでしょ?

あなたにも私にも、ぼくにも小林真にも、桑原ひろかにも佐野唱子にもお父さんにもお母さんにもお兄ちゃんにも、世界にもいろんな色がある。一色じゃないから面白いし、つらいし、悲しい。でも行き詰まった時には「ホームステイ」してみるのも悪くない。きっとあなたの中にプラプラが、やってきてくれるといいね。

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三百年の謎匣 芦部拓

三百年の謎匣 作:芦部拓 (ハヤカワミステリーワールド)

三百年の謎匣 (ハヤカワ・ミステリワールド)

密室状態の袋小路で殺された富豪は、直前に遺言書を作成するために弁護士事務所を訪れていた。素人探偵兼弁護士の森江春策の元にそのときもたらされた手書きの書物に書かれていたのは東方奇譚・海賊モノ・フランス革命時の中華幻想・秘境探検・ウエスタン銃撃戦・飛行船での殺人事件、異なる時代の六編の物語がさまざまな言語で記されていた。この書物が解き明かされる時、全ての謎は明らかになる。

扉絵が藤田香さんということで、読んでみました。……こうして少しずつ読書の幅を広げていくのよ! カバー絵は西口司郎さん。ニ・三個はトリック分かったんだけどねぇ。所詮そのぐらいさー。一番ビックリしたのは最初の謎が解けた時。そんなに身近な話でしたか。そして某有名探偵が登場したとき。冒険家よりもそりゃねーだろ、と思った。

でも面白かったですよ。大航海時代からフランス革命に清王朝、ツェッペリンまで史実てんこ盛りで世界史好きにはたまらない一品。いやぁ、一つの話が終わるごとに一つずつ増えていく謎が明かされたときの爽快感とかよろしいですな。でもやっぱ長編というよりは短編連作形式といったほうがおさまりがいいような。一つ一つが違いすぎるし。とりわけ現代が浮いているような。
春策の話は大阪弁らしいのですが、なんか語尾だけ付け加えてあるように感じてしまう。芦部さん大阪生まれですし間違ってないと思うんですが、文章としてはアクセント表示がないので、語尾にたどりつくまでの言葉が関西弁で再生されないのは関西人の悲しさなんでしょうか。
それと、ヒンデンブルグ号以下水素飛行船はヘリウムのそれに比べてそんなに搭載重量は気にしないでもいけたんじゃなかったっけ……? グランドピアノが乗せてあったのはどの飛行船でしたか。テーブルとか軽量化してたのは本当なんだろうけど、どうなんだろう?

で、この題名の読み方は「なぞはこ」でいいんでしょうかね?

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月は無慈悲な夜の女王 ロバート・A・ハインライン

月は無慈悲な夜の女王 作:ロバート・A・ハインライン(ハヤカワ文庫SF)

月は無慈悲な夜の女王 (ハヤカワ文庫 SF 207)

はい、古典ですね。SF初めてだから翻訳文体に慣れてなくて、読むのに2ヶ月もかかっちゃいましたよ! 実質エンジンがかかってからは3日ですが。エンジンかかってからもよくわかんなくても雰囲気で読み進めたんですがね。

流刑地としての歴史を持つ地球に支配された月の独立戦争。
月側は宇宙船もミサイルも持たず、自意識をもった巨大コンピューター「マイク」とたったの三人の仲間で始められた運動が、月世界に自由をもたらす。

そうですね、ここはライトノベルサイトなんで、コレもきっかけは「Dクラッカーズ」参考図書なんですが、いやー、セルネットの仕組み丸ごとだけでなく執行細胞もここがネタ元だったのね。(「カプセル」というドラッグの販売組織が細胞の形式を持っている。マイクの位置にいるトップが「無慈悲な女王」と呼ばれていることになっています)
悪魔のミカタの「ライン」もここからきてるのかな。ここらへんは一般的すぎてはっきりとは言えませんが。

でも細胞ってマイクがいなけりゃあんまりうまく行きそうにない仕組みじゃないのかなぁと思っていましたが、ま、今現在その形を持つ組織も地球上に存在しているわけで、合理的な仕組みなんでしょうね。でもセルネットって同世代の他細胞に連絡手段持ってたっけ? あったんなら茜セルネット抜けないでいけたんじゃ? あれ?

雰囲気としてはアメリカ独立戦争なんでしょうね。アメリカはすげーヤな国に書かれてますが。でも「真珠湾」という言葉が出てくるあたりすごくアメリカ的。エンターテイメント。電話がコード届かない場所では話せない設定には設定はちょっと苦笑ですが。
無料のランチなんかないんです。空気も有限、有料。このハングリー精神は地球をへばりついてるヤツらには真似できない。
結婚とは、思想とは、権利とは、義務とは。考えてみるのも悪くない。
面白かったですよ。うーん、翻訳文体慣れたいなぁ。

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アクアリウムの夜 稻生平太郎

アクアリウムの夜 作:稻生平太郎 イラスト:緒方剛志(角川スニーカー文庫・ハードカバーもあります) 

アクアリウムの夜 (角川スニーカー文庫)

春の土曜日、ぼくはバンド仲間の高橋と「カメラ・オブスキュラ」という奇妙な見世物を見る。それはカメラの原理で外の景色を写すというものだったけど、その原理では映らないはずの水族館の入り口、そして観たこともない地下に通じる階段が見えた。

えーっと、これ「スニーカー・ミステリ倶楽部」に入れちゃダメなんじゃないか? ホラーです。理詰めの解決なんてありゃしないですよ。そういわれて読めばそれなりに楽しむのに、読み方を間違えた。うきゃー!
狂気に彩られた青春の不思議体験のひとコマ。高橋が入院したあたりでそれに気づければよかったんだけど。

90年の作品ということもあって、言葉づかいに古さが感じられる気が。
でもあれ、水族館という揺らめく空間に深まる謎、まではよかったのに。
水族館好きとしてはもうちょっと、どんな水族館だったのかも知りたかったところだ。

……内陸の小さな町に水族館がある、ということ自体がみすてりーなわけであって、その具体的な内容はいらないのか? ホラーの小道具か。でもなんだか納得いかない。最初のアナグラムだって入ってないのに死人出てるし、二度目の並び替えだってひとりじゃないじゃーん! (不条理小説に明確な答えを求めないように)
 
きょーび精神科に通ってるぐらいで疑われちゃたまったもんじゃないだろ! とか不満たまりまくり。白神教とかシャンバラとか本当に必要なのかねぇ……と、そのあたりを詳しく読みたかった人が言ってみる。謎解明してほしかったよ本当に。

そのうち再読してみよう。ネタは割れてるから楽しめるかどうかは微妙だが。
うん、でもたしかにラジオドラマにすると雰囲気はよさそう。結局聴いてないけど。

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赤・黒 ルージュ ノワール 池袋ウエストゲートパーク外伝 石田衣良

ルージュ・ノワール 赤・黒 池袋ウエストゲートパーク外伝 (徳間文庫) 作:石田衣良(徳間書店・徳間文庫)

ルージュ・ノワール 赤・黒 池袋ウエストゲートパーク外伝 (徳間文庫) ISBN : 4-19-861308-7 発行年月 : 2001.2

犯罪小説。長編。三人称。でも探偵。
池袋署長にコネはない30代。でもサルの相棒なのでタカシに会うことはできた。
映像ディレクターなので視覚をフレームで捕らえる。そのうちの何枚かは記憶として残る。
バカラ狂い。失敗したら業務上横領犯になり、日高クリエイティブの下働きになる。
勝負に出ない場合も日高に借金5千万。

その小峰が勝負を伝説張り師とルーレットに託す。一か八かの運命はrouge ou noir.

犯罪小説だけに本編にはないスリル満点。本編でおなじみのサルがこんなに頼もしいとは思いませんでした。やっぱこのシリーズの最大の特徴は魅力的なキャラクターですな。自分に負い目のある主人公に、ギャンブルで借金を背負って狂言強盗を働いた男に「最後までついていく」という彼女。
Gボーイズの人海戦術が使えない小峰に使えるのは頭の回転と、マコトにはあまり縁がない女の執念。個人的なトラブル解決にちょっとキングの力を借りたけど。
マコトの語り口である体言止めはなくって、改行も控えめ。IWGP初心者にも読みやすいのではないでしょうか。

「池袋」の街の怖さが露骨に現れてましたね。
ちょっと忘れてた感覚。だってマコトはコネありすぎだから何やってもどうにかなりそうだし。にしても小峰が映画にしようとしてたのはマコトの本じゃないのかな。そしてキングがその主人公はタカシじゃないのかな。だとしたらモデルに会っちゃったんだね。そりゃホンモノ使いたくなるわなー。

そしてクラシックのかわりにザクザク出てきたのは映画。しかも30年代いっぱい。犯罪映画もいっぱい。名前聞くだけでわくわくするねぇ。スカーフェイスみたいなぁ。

ラストもカッコよかったし、外伝じゃなくても長編が読みたくなってきました。
実現しないかなぁ。

動く標的 ポール・ニューマン
ゲッタウェイ オーシャンと11人の仲間 暗黒街の顔役
ステッペンウルフ 「ボーン・トゥー・ビー・ワイルド」
上海特急 マレーネ・デートリッヒ 撮影リー・ガームス 監督ジョセフ・フォン・スタンバーグ 1932年アカデミー撮影賞
スリ 59年フランス ロベール・ブレッソン
地の果てを行く デュヴィヴィエ監督 35年のミステリー
レザボア・ドッグス タランティーノ

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後巷説百物語 京極夏彦

後巷説百物語 作:京極夏彦 (角川書店)

後巷説百物語 (Kwai books)

はい、直木賞受賞作。単作で読まれた方もいらっしゃるでしょうが、「前にお話しました~」という話は全て前作・前々作で語られていますので、興味をもたれた方は是非、読まれることをオススメします。

時代は明治のザンバラ髪が定着した頃、山岡百介は一白翁と呼ばれる隠居の好々爺になっておりました。そこに相談を持ち込んでくる怪異がらみの捜査に行き詰まった巡査とその仲間しめて四人。

中身は一白翁の昔話、やっぱり又市たちが活躍するわけですが、相談事の答えですから又市の仕掛けは話したり話さなかったり。身の回りの世話をしてくれる小夜さんが皆が帰ったあとに「で、真相はなんなんですか?」と種明かしを迫ったり、四人うちの一人にだけ種を明かしたりする構成もあったりで。
途中まで「もうなんだか『飛火槍』で万事解決しすぎじゃねえの?」とか思ったわけですが「山男」のラストあたりから語り口にやられましたよ。
「続」読み終わったときのような衝撃は受けませんでしたが、もう、安らいだラストで泣けますよ。又さんのような鮮やかさはないけれども、人柄のにじみ出たいい仕掛けでした、百介さん。私も百物語終わってほしくなかったです。でもお疲れ様でした。

例によってまた時系列順に並べ替えしたくなったんですが、最後の百物語で百介が語った順でFAなんでしょうな。ちっ、答えが出たら出たでがっかりするもんですな、こういうのって。
後残っている話があるとしたら百介の預かり知らない「又市たちの最後の戦い」ぐらいかな。いくらなんでもそれは語られないだろうし。別に京極堂にはつながってないでしょ? いや、可能性はないとはいえないが。

妖怪を媒介にして夢を追うことはなくなった現代だけど、それを埋めるものはあるのかねぇ。都市伝説にゃあムリだしね。又さんに温かくて時に残酷ないい夢見させてもらいました。ありがとう。

小豆洗い 野鉄砲 白蔵主 狐者異 舞首 飛縁魔 芝衛門狸 船幽霊 塩長者 死神 柳女 赤えいの魚 帷子辻 天火 山男 手負蛇 五位の光 老人の火 風の神

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ライトノベルを中心に、ぐだぐだとバカなコメントを書きます。やってるときは燃え多め。

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