ブギーポップ・パラドックス ハートレス・レッド 上遠野浩平
ブギーポップ・パラドックス ハートレス・レッド 作:上遠野浩平 イラスト:緒方剛志(電撃文庫)
ISBN : 4-8402-1736-X 発行年月 : 2001.2
生きるために「能力者のふり」をして統和機構に潜り込み、生き抜いてきた朱巳は原因不明で昏睡する少年少女が通う中学校に転校。そして休学から初めて登校してきた霧間凪と出会う。
九連内朱巳登場。だんだん「ディシプリン」の駒が揃っていくねえ。としか最近思えなくなってきた。中枢にだいぶ近づいてきたねぇ。
世界の敵ってなんだろうなぁ。それを考えるには「世界とは何か」から始めないといけないのか。
しっかし、水乃星が頭を出せば出すほど「イマジネーター前に彼女がやったことは何ですかー!」と問いたくなる。『この世を夢に閉じ込めようとしている』ねぇ。さっさと「あなた」も読みたい。
もう煙に巻かれるのに慣れきってきたころなんだけど。
頭がよくてとびっきり不幸な少女が主人公であるわけですが、ひそかに「炎の魔女」誕生譚でもあるわけで、中学生であるだけに凪の移動手段が自転車ってとこにほほえましさがあるよねぇ。携帯がある時代に中学生だったら高校生でも自動二輪は乗れないんだが。(法改正の兼ね合いで。あ、もしかして「笑わない」当時でもアウトかもしれん) まぁ法なんて破るためにあるんだ! 凪が原チャに乗っててみろ。……自分で言ってなんだけどまぬけだー。シルキー(byポストガール)にまったり度を分けてもらいなよ。
と、やっぱり中学生のころからこんなにスーパーマンっぷりを発揮されると、「笑わない」でただの人間の早乙女に殺されたのがやっぱ違和感がある。あーでもここで『組織』には気づいてるわけだよな。健太郎が気づいてないだけで調べ尽くしてるかもね。
凪はどこまでも凪で、大見得切ってくれます。確かにかっこいいんですけど。
それ、実行できればいいんだけどね。わかっててもできないのがね。はぁ。
朱巳もかっこいい。凪とタメ張れるんだから能力なんてなくてもその肚の据わり具合だけでMPLS認定でいいよ。りっぱな詐術技術じゃないか。
この心理戦具合がこのシリーズの特徴になりつつあるのかな。
にしては「心の鍵」ってさわりしか出てこなかったけど。
他刊の感想
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