シフト ―世界はクリアを待っている― うえお久光
シフト ―世界はクリアを待っている― 作:うえお久光 (メディアワークス)
なんかでかいですよこの本。こんなでかいハードカバー見たことない。装丁も凝ってる感じですよ。しかし中身は……やっぱりキスなのかー! ハーレムなのかー! 誰もが傷ついていてムカつくヤツもいて読むのにちょっとパワーが必要(私の場合は)で青臭くてせつなくて、シェヘラザードとか出てきて、もうどっから見てもうえお久光ですね。でもある意味電撃文庫よりこっちの方がのびのびやれてるような気がします。
夢の世界でRPGをやるこの小説、その世界で死んだら二度と夢を見ないという設定で高校生のみが楽しみながら、右往左往しながら、外の世界と同じようにもう一つの世界を生きている。RPGってちゃんとやってみたいよなー。その味を知らない私は多分、この世界観を完全には理解できていなくてかなり損をしているのではないか。
あとがきに頷きまくり。私が最初に敗北したのはアル戦でしたかな。その次に十二国記。そして私は常々私が見る夢を小説にできたらいいなと思っているわけで、それはみごとにシフトにやられたかなぁと。(いや、内容とかをまとめて小説にしたいわけであって少々違いますが) そんな経過を辿って今があるわけですが、自分にリベンジできる予感は全然ない。うぎゃ。
ええと、終わってナイデスヨねコレ。マジで世界は「待っている」だけかよ、と。ロックとか都への伏線なんですよね? シェヘラザとかちゃんと帰って来れますよね。続き読みたいですよ、悪魔のミカタもだけども。親切で人の目を気にしていて優しくて異形の主人公ラケルの活躍を、もっと見たい。
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